「恋ではなく愛の物語」エゴイスト sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)
恋ではなく愛の物語
鈴木亮平と宮沢氷魚の演技と、恋愛のドキドキ感を楽しもうと思って気軽に見始めたのだが、ずっしり重い愛の話だった。性愛だけの愛ではない。
二人の演技も素晴らしい。龍太の無邪気さと真摯さに、浩平が惹かれていく過程がとても自然。
母を亡くし、1人でツッパって派手に着飾って生きてきた浩平に、守るべき存在ができて、心が満たされ、変わってゆく過程にこちらの心も暖かくなった。
お金を介すことでのつながりも、とても丁寧に描かれていて。それぞれが後ろめたさを抱えつつも、打算だけでなく助けあい支えあっていることが伝わる描写だった。
そしてそれを失う悲しみまでもとてもリアルでヒリヒリした。喪失の悲しみは、それが深ければ深いほど、彼の人をそれだけ深く愛していたということだ。愛のひとつのかたちに他ならない。
忘れたくない、しがみつきたい、そんなきっかけからも新たな愛が生まれて癒やされることもあるんだな。
2人のラブシーンも、どれもリアルで幸せそうで微笑ましかっただけに、別れが切なくて仕方ない。もう一回見返して、あのなんとも可愛いらしいラブシーンが切なくて号泣するんだろうな、、
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