「「僕が買ってあげる。」」エゴイスト てつさんの映画レビュー(感想・評価)
「僕が買ってあげる。」
もう何回観たかなと。
観る度に込み上げてくる感情があって、それを確かめたいがために何度も、何度でも観たいと思う。
昔、個人的に好きなアーティストが楽曲の中でこんな主張をしていた。
「行き着く所は 学ぶべき事とは
見返りを求めずに与える事だ
つまり受け取ってもらったこっちの方が
感謝するという心の状態」
この映画を観て覚える感覚にこれに近いものがある。気がする。
これを学びたい。観たい。触れたい。
そう思って映画館に何度も足を運んで、結果何度も涙した。
普通映画ってセリフとか言い回しで感動したりってことが多いって思ってたけど、この映画で涙するシーンは主人公のセリフのない無言の激情シーンだったりする。
凄い演技と表現だと本当に思う。
やっぱりいい映画を観る度に、映画が好きでよかったと心から思う。
そして自分自身もこうでありたいというある種の憧れのようなものをスクリーンの中に確かめることができる。
表情やセリフの言葉使い、リアルな雰囲気、ピシャリとしたような無音の中に放たれる感覚や伝わってくるメッセージ。
被写体との距離が近いこの映画は時にドキュメンタリーそのもの。
誤解を恐れずに言うなら純粋にLGBTQ +をどうのと言っている映画ではもはやないと思う。
映画を通して「エゴイスト」の言葉の持つ意味が変わるのが分かる。
浩輔の人生のエゴに祝福をしたい。
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