「タイトルの意味を今でも考えています。」エゴイスト のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの意味を今でも考えています。
鈴木亮平さんが主演の時点で、BLでキャスティングされるタイプでないと感じた。
BLではくくれない、家族の物語。
この前に「ちひろさん」を観て、この後「美しい彼 スペシャルエディットバージョン」を観るチョイス、どうなの自分と突っ込んだ。
浩輔と龍太の恋愛関係は、かなりがっつりなベッドシーンも含めてきれいだなと感じた。
若いサラリーマンが毎月20万渡すって大変なこと、お互いに真摯に想いあっていて、このまま幸せになって欲しいなと願った。
龍太の家族の状況は、なんらかのサポートが必要なレベル。
最初の分岐点は龍太の母親が離婚する時、次は龍太が高校を中退する時。
どちらも、公のサポートを受けるように動けば、違う結末もあったはず。
しんどい時は、助けを求めていい。
そして、元気になったら、今度は困っている人を助けてあげればいいのだ。
エゴイストってタイトルが、内容にそぐわなくて考え込んだ。
浩輔が自分の生活スタイルそのまま、無理せずできる範囲のサポートしかしなくて、龍太を喪ってしまったことを言っているのかな。
例えば、浩輔が40代後半で、愛する人を喪失する体験をしていたら、龍太へのサポートの仕方は変わっただろう。
問題ありありの龍太の環境を放置せず、様々なサポートを利用して、一から構築しなおしていたかもしれない。
もともと、龍太が病弱で、早逝した可能性は否定できないけれど、できることをすべてしていたら、後悔はしなかっただろう。
でも、人間、その時考えられる範囲で最善の選択をして、失敗して初めて学ぶ。
それは、エゴイストとは呼ばない気がするんだよなあ。
こんなふうに観た後も色々考えるのは、楽しいものです。