「形」エゴイスト ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
形
ソフトなBLよりかは規制の入るくらいの描写を携えたBLの方が好きなので、しかも主演2人の掛け合いが予告の時点でとても良さそうだったので公開から1ヶ月ほど経ってから鑑賞。
前半と後半で物語の根幹こそ変わらないものの、全く違う物語へと変わっていく不思議な作品でした。
まず前半は浩輔と龍太のフレンチキスからのハードなベッドシーン。「窮鼠はチーズの夢を見る」ほど激しくはないですが、とても美しいベッドシーンでした。2人の手つきや仕草がとても綺麗で、見てはいけないものを見ているはずなのに、見入ってしまう、そんな迫力がありました。
龍太が一度は浩輔を突き放しますが、それでも龍太が必要だった浩輔が支えるという名目で龍太に付きっきりの生活を送ることになります。生活費を渡す、お客以上恋人未満といったところでしょうか。でも2人は幸せそうで、母親とも一緒にご飯を食べたりと、平穏な生活が続くと思われたのですが…。そこで龍太の死はかなり驚かされました。
龍太が過労で亡くなってしまった後、龍太のために尽くしていた浩輔が今度は龍太の母の生活費、そして生活の面倒も見始め、実の息子の様な感じになっていくのは依存では無く、まさしくエゴもといワガママなんだなと思いました。タイトルの意味が一貫していて、物語の終わりにエゴイストのタイトルが出て来た瞬間は唸るものがありました。
部屋の装飾や衣装なども凝っていて、浩輔の部屋はとても綺麗に纏められており、こういう部屋に住んでみたいな思えるものになっていました。
ちょっと残念だったのはゲイという設定がオカマに近い造形で作られていたことです。結構違うと思うんですが、全体的に女性っぽい仕草をする男という感じで進められていたので、もっと普通の男で進んだら良かったのになとは思いました。あと物語が思った以上に長く感じてしまい、浩輔と龍太のシーンを気持ち長くしていても良かったのではないかなと素人ながら思いました。
とても純で、エゴイストというタイトルの意味を深く考えさせられる作品でした。公開から1ヶ月経っても興行は上向きです。今がちょうど見頃ではないでしょうか。
鑑賞日 3/13
鑑賞時間 11:55〜14:00
座席 E-1