「虚無・退屈」エゴイスト エイさんの映画レビュー(感想・評価)
虚無・退屈
鈴木亮平の演技力はかなり研究されていて流石だった。
が、それ以外が近年稀に見るほどの低評価。
全体を通してテンポが非常に悪く、
ストーリー的な波もないので
非常に退屈なシーンが続いた末に
急いでタイトル回収がされ、
突然タイトルコールで終わる。
思わず、は?って言ってしまった。
テンポが悪い割に、
重要な部分はハショられていて、
それぞれの心情や状況の変化の描写が荒く、
展開がいきなりなことが多い。
例えば、彼が働き詰めで過労死するシーンも、
疲労が蓄積していってフラフラしたり倒れるシーンもなく、急に電話で朝死んでましたって連絡だけくる。
と言った感じで、
置いてけぼりにされたと思えば
突然、お涙頂戴でサクッと登場人物を殺したり、
病院送りにし、納得がいかずモヤモヤする。
じゃあ時間が足らなかったのか?
というとそうでもなく、
無駄な描写の時間は異様に長く、
前半はベッドシーン、
後半は父との食事シーンに無言で手元と皿が映り続けたり(気まずい感じ出すにしても長い)、
お母さんとのやり取りが極端に遅く、
引き延ばした感じがある。
また、個人的に詳細にツッコむとすれば、
お母さんにお金を渡すシーンが頭悪くて笑いそうになった。
「息子さんにもこうしてお金を渡していたんです。」
え?それ言うの?お金渡すことで贖罪するエゴイストはわかったけど、恩着せがましいにも程があって台無し。
あの歳で「あなたは魅力的です。」って言い方しないし、
月20万もらって更にあんだけバイトしてたら
かなり余裕あるはずだし、
詰め込みたいもの詰め込んでチグハグ感。
LGBTQ当事者としても共感出来ず、
主人公が現実離れし過ぎて感情移入もしにくい。
ストーリー、映像において虚無。
いっそ潔く1時間程度にして欲しかったところ。
LGBTQに媚びつつ、
監督のこだわりだけが強く残った作品。
ぶっちゃけ高評価の意味がわからない。