「自慢の息子です。」エゴイスト はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
自慢の息子です。
この物語になぜこのタイトルなのかずっと疑問だった。嘘には人を傷付ける嘘と傷付けないための嘘がある。そう。それはきっとエゴも同じこと。人を傷付けないためのエゴだってあるだろう。
体が悪い母親を支えながらまさに身ひとつで稼ぐ龍太。かつて母親に尽くせなかった後悔からそんな龍太に寄り添う浩輔。苦難も乗り越えてただ一緒にコーヒーを飲む幸せ。父親に打ち明けられないこと。母親に見透かされたこと。そして悲しい出来事が起こり、浩輔のエゴが加速してゆく。優しさ故の。
鈴木亮平が頭のてっぺんから爪先まで完璧に浩輔その人で、ちょっと鳥肌がたつような演技でした。母と息子。大切な人の命に触れながら、悲しくも美しい終着点へ。身勝手でもいいではないか。目の前の人に必要とされているのだから。
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