劇場公開日 2023年2月10日

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「想い合うがゆえに相手を追い詰めてしまう愛の地獄...  同性同士の格差愛を通して愛の残酷さを衝く映画!!」エゴイスト O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5想い合うがゆえに相手を追い詰めてしまう愛の地獄...  同性同士の格差愛を通して愛の残酷さを衝く映画!!

2023年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんというスタイル万能の二人が官能的に愛を交わす同性愛の物語ながら、その背後で夫婦の、そして親子のどこかしら後ろめたさを伴った辛い愛の形を描いたピュアラブストーリーです。
 人目を憚る愛に限らず、社会的格差を孕んだ愛、そして与え与えられる互いの総量が不釣り合いに感じられてしまう愛……大上段でこれ見よがしにそうした障壁を語ることはせず、それがゆえに当事者たちの苦しい胸の内がストレートに此方に伝わってくるような非常に繊細な構成となっています。
 同性愛の物語、ということで共感する方にはダイレクトに、そうでない方にも、愛というものが等価交換のような確かなものであることは極めて稀で、むしろそうでない関係性の時にこそ互いの真価が試される、ということが客観的に感じ取れる繊細な作品だと思います。
 眉目秀麗でスタイル抜群なお二人なので、もちろんそういう需要にも十二分に応える一本だとは思うのですが、パートナーのみならず自分の夫婦関係や親子関係を考えるのにこれほど適したものもそうないのではないでしょうか。

O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)