「アイヌ文化を後世に伝える意義のある作品」カムイのうた ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
アイヌ文化を後世に伝える意義のある作品
実は観るかどうかを当日になるまで悩みました。
それほどモチベーションがなかったというのが本音です。
ただ、私は中年な現在でも勉強不足で知らないことが
多々あり、映画で社会問題をちゃんと知ることが
あるので、本作もそこに期待して観る決心をしました。
冒頭からヘビーなアイヌの方々の置かれた状況を見るに
非常に心が痛み、また、沈むような描き方で
この救いのない感じでやるせない気持ちになったのですが
そこに現れたのが加藤雅也演じる兼田教授。
彼の熱いアイヌの人々や文化への想い・リスペクトが
吉田美月喜演じる主人公テルの心に響き、
物語を大きく動かしていきます。
かなり切ないラストではありますが、
アイヌへのリスペクトと文化を後世に伝えるという
軸はブレずに着地し、じんわりと心に沁みました。
島田歌穂じゃなければ演じられなかった役であることや
清水美沙の感情のこもった演技も素晴らしかったです。
私としては、楽器ムックリの音が良かったです。
今だとシンセサイザーで出すような音で
実にアナログにもかかわらず、デジタルっぽい音なのには
興味が惹かれましたね。
終始重い空気感が漂うので、
フィジカル的に元気なときに観ることを推奨します。
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