劇場公開日 2024年1月26日

「北海道の自然はそのままの姿で。」カムイのうた はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0北海道の自然はそのままの姿で。

2024年2月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

文字を持たず文化を独特の節で歌うユーカラなどを用い口頭伝承してきたアイヌ民族。そのユーカラを初めて文字として残した実在の女性の物語。

この作品でユーカラの持つ意味や意義を知りました。島田歌穂さんのユーカラが素晴らしかったです。主人公のモデルとなった知里幸恵さんは差別を受けながらも、学びたいという気持ちを持ち続け後世に素晴らしい財産を遺した強くて聡明な女性で、演じた吉田美月喜さんの凛とした姿がとても合ってました。

ただ雄大な自然や動物の映像がなんかファンタジーみたいな世界観でこの作品には合わなかったと思います。ここはちょっと残念でした。

さてアイヌ民族と言えば同化政策によって結果的に数を減らしてしまったというのが一般的な見解で、私もそうだと思っていたし、そう習ったと思うんですけど、一方では数を減らしてしまったのは感染症が原因で、同化政策によってむしろ近代的な生活を送れるようになったという考えもあるってことをこの作品がきっかけで初めて知りました。北海道に行くことがあれば資料館とか足を運んでみたいなと思います。

はるたろう