劇場公開日 2024年1月26日

「多くの人に観てほしい素晴らしい作品」カムイのうた tomクルーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5多くの人に観てほしい素晴らしい作品

2024年1月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

月曜の午前中の上映でしたがクチコミの高さの為か広めの席はほぼ満席でした。菅原浩志監督が手がけたアイヌをめぐる素晴らしい歴史劇です。アイヌ民族というだけで理不尽な扱いを受ける中、アイヌ民族の伝承文学を翻訳して後世に残した知里幸恵をモデルとした実話ベースの作品です。オープニングから北海道の美しく厳しい大自然が素晴らしい。悲しい事ですが開拓という名の侵略。先住民からの略奪と搾取、言語や文化を廃止させ民族同一化を図る。世界の歴史は略奪と征服の歴史であり文明の発展とともに世界規模で行われ、今でも一部の非民主主義国では行われています。日本でも北海道のアイヌや沖縄の琉球民族で行われてきました。本作でもこういった史実を元に悲しくも文化と民族に誇りを持って生きる人達とそれを助けようとする素晴らしい人々が描かれています。吉田美月喜 さん、望月歩 さん、島田歌穂 さん、清水美砂 さん、加藤雅也さん、皆さんとても素晴らしいお芝居でした。少しだけ不満はテルの状況時の駅のホームのシーンと兼田教授と小嶋教授の揉み合いのシーンの映像的演出は安っぽくて不要でした。

tomクルー