「観たことを心の底から後悔した」Dr.コトー診療所 mizuhaさんの映画レビュー(感想・評価)
観たことを心の底から後悔した
初回のドラマからずっと見ていたので16年ぶりに復活したことをホントに嬉しく思い、楽しみにしていたのですが、映画を観たことを心の底から後悔しました。
こんなに後味の悪い終わり方にする必要があったのか?・・・と、制作側に問いただしたいくらい。
島の人たちのためにずっと頑張ってきたコトー先生を失明させる必要があったのか?
コトー先生は、患者に寄り添い、どんなに難しい治療でも諦めずに患者を絶対に見捨てない。
人格者な上に腕の立つスーパードクター。
そもそも現実にはあまりいなさそう・・・な人物設定なのだから、最後までスーパードクターの設定を崩さないで欲しかったのに、いきなり現実的な終わり方。
島の人たちの自分勝手さに呆れるばかり。
自分の義理の息子が『急性骨髄性白血病』という命に関わる病気になったと知らされた時、『これからどうすればいい?わしは何もわからんからコトー先生に聞くしかないんじゃ!』と言ったきり何もしようとしない、あやかさんのお父さん。
場所は違えど自分の娘が罹った病と同じ癌であり、どんなに深刻な状態であるか判るはずなのに、強引にでも入院させようとしないのは信じられない。
悩んでいる暇があったら大きな病院に入院するよう説得しろ。
おまけに、前もって台風が来ると判っているのだから、その前に本土に送るか、あやかさんが入院していた病院に送り込め。
コトー先生が島にいなくなると困る・・・結局コトー先生の命よりも、こっちを優先させるなんてホントに身勝手な奴。
失明してしまったからもう手術もしてもらえなくなるねぇー。
坂野さんと一緒にハント先生に頭を下げてコトー先生の代わりをお願いするべきだった。
並行してコトー先生の代わりを探す手はずを整えるべきだった。
坂野さんもハント先生に痛いところを付かれて逆切れしている場合か。
そして。
『コトー先生とあやかちゃんの子供を取り上げるまでは死ねん』と言っている割には、先生の言いつけを守らず薬を飲まない、なみちゃんのおばあちゃん。
挙句、台風が上陸した夜、避難所にはいたくないとわがままを言って役所の人に送らせ、自宅で倒れているところを発見されるが心筋梗塞で診療所に運び込まれて、結果、コトー先生に決定的なダメージを与えることになった。
倒れたコトー先生を放置している意味も判らん。
一緒に観に行った人はコトー先生が失明した・・・であろうことに気が付かなったと言っていた。
子供の手を取ろうとする手がおぼつかない感じだったのは目が見えていなくて手探りで探している…様子を描いていたのだろうし、子供を抱き上げる時に子供に視線を合わせていなかった。
子供が初めて歩き出した瞬間だったのに。
それを見ることもできない。
自分を犠牲にしてでも島の人を救うコトー先生の”美しい姿”・・・というテーマで描きたかったのか?
それで感動させようとしたのか?
全然感動しない。
出来るわけがない。
こんなことなら観なければ良かったと心の底から後悔しました。
ドラマのまま終わらせればよかった。
荒んだ私の心を救ってくれたのは、たけひろくんがまた医者を目指すようになったことと、ハント先生が全部私の言いたいことを言ってくれたこと。
高橋海人くんの演技がとても良かったです。
私の中で『姉ちゃんの恋人』と並んで”ツートップ”となりました。
映画の登場人物にここまで感情移入してしまう自分もどうかしている・・・と思うのだがwww