劇場公開日 2023年1月20日

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「世間の風潮は厭離エロ 救うべき衆生はまだ存在する」グッドバイ、バッドマガジンズ bionさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0世間の風潮は厭離エロ 救うべき衆生はまだ存在する

2023年1月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 面白すぎ。オリンピックで訪日する外国人に対してカッコ悪いという理由で、コンビニでのエロ雑誌の販売が取りやめになった2019年。生命線を絶たれたエロ雑誌のスタッフがもがく様子を笑い8割、シリアス2割で描かれる。

 サブカル誌の編集を夢見て出版社に就職した詩織が、エロ雑誌専門の第3局に配属される。詩織がすんなりとエロ雑誌の編集に馴染んでしまう序盤からして面白。エロページのシュレッダー係を卒業したら、いきなりページを任され、ヤサぐれた女編集長の強烈なダメ出しくらい、的確にエロ雑誌の基礎を叩き込まれる。

 その詩織が、数ヶ月後に新人に同じ事を言う場面のヤサグレっぷりがたまらない。そんなに変わってしまうの?
 四字熟語のワードセンスの切れ味を是非見てほしい。「俺の上で即身成仏」とか。

 エロはいつの時代も最新のメディアが主戦場になる。オールドメディアの雑誌なんか生き残っている方が不思議。そんな中で、詩織達はもがき苦しむんだけど、はたから見ると喜劇にしか見えない。沈んでいく業界の悲哀を織り交ぜながら、物語は終盤へ。

 あんなラストよく思いつくよね。すげーわ。拡大公開になるのも当然。これは自信を持って勧めることができます。エロに寛容な人、限定で。

 世間の風潮は厭離エロ。でも救うべき衆生はまだ存在する。

bion
LSさんのコメント
2023年1月23日

bionさんのチェックインリストで本作を知りました。面白い映画に出会わせてくれてありがとうございます!

LS