「影打」エスター ファースト・キル ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
影打
今作鑑賞前に、前作を鑑賞しましたが、前半のホラーから後半のどんでん返しにあっと驚かされ映画に見入ってしまいました。あの衝撃を超えれるものがあるのか…と期待半分不安半分で鑑賞。
そんな期待と不安を良い意味で裏切ってくれました。最高に楽しい前日譚じゃないか…!
もう既にエスターが成人している女性という種が明かされている中どう進めるのかなと思いましたが、療養センターでその事実をサラッと明かしてくれたおかげで、その後の展開をスッと飲み込むことができました。ここ明かしておかないと流石に主演のイザベル・ファーマンも立派な成人女性なので多少なり違和感があったものを拭えました。
初っ端からボールペンを握りしめてる状態で現れるので、ヤバいやつ感は速攻で分かりますが、うまいこと職員を自分の部屋に招き入れて誘惑してからの殺し方がとにかくパワーでゴリ押し(にしても強かった)で、壁に押しつけてぶっ殺すとかいう精密とか計画性とかどっかに置いてきたレベルでしたが、まだまだ未熟なエスターが見れてそれはそれで面白かったです。
同じ療養者の扱い方も熟知してますし、担当職員の家まで車にうまいこと乗って付けて、玄関で思いっきりぶっ殺すというこれまたパワー、でもまだ未熟なので1発で綺麗に殺せないお茶目さも見せてくれます。
ここでエスターという女の子の行方不明情報と自分の顔に似ていることから、彼女になりすまして、その家族の家に潜り込むことになりますが、エスターにとって最大の鬼門はこの家に潜り込んだ事になるとは、エスター自身も想定外だったでしょうし、自分も想定外でした。
最初は多少なりの違和感がありつつも、娘が帰ってきたことに喜びを覚える母、疑うとかなんのその大喜びの父、ちょっと照れ臭そうな兄…。
前作「エスター」の父と今作の父はかなり重なります。鈍いところが特に。逆にカウンセラーは速攻で違和感を見抜いたので超優秀です(それが故にあまり今作に関わってきませんでしたが)。
刑事がエスターの正体を突き止めた瞬間に、いつの間に追いついたねん状態のエスターが襲撃してからの刺しまくりからの、母登場で銃ぶっ放しという怒涛の展開ですが、ここで母が気づいて万事休すかと思いきや、ここからが予想とは違う物語へと進んで行きました。
母は父がエスターが戻ってきたことにより、元気になり、夜の方もお盛んになり、家族が元の形へと戻ったことを利用するためにエスターを家族の元へ置くという衝撃的な展開になっていきました。エスターがまさか追い詰められるとは思いませんでしたが、これまた兄にもこの事実が明かされるので、マウント取り放題の兄はキャッキャしていました。父には何も明かさず状態ですが。
エスターは操り人形になりかけますし、睡眠薬で眠らされそうになりますが、さすがに家族とは違う料理に疑問を抱き、部屋にいる同居ネズミに一杯食わせて眠ってしまったことに確信を持って、逆にスムージーにネズミまるまるぶち込むという超大胆な事をやってて面白かったです。流石に母油断しすぎましたね。
父が仕事の出張に出る際に乗る列車が来る前に突き落とそうとするも阻まれ、そこから母と兄から逃げ出そうとしますが、母と兄も全速力で止めに来て、兄の持つ催涙スプレーでエスターが奪って反撃するというスピード展開、兄は可哀想ですが、エスターはしめしめと言わんばかりに逃げてしまいました。
ここでグラサンをかけてタバコを吸うシーンは、イザベルが成人したからこそ描けるシーンになっていました。まぁ普通に捕まりますが。
そこからの最終決戦、ジワジワの恐怖があった前作とは違い、ワクワクするクライマックスというホラー映画では感じれないものがありました。
2人がかりでボッコボコにしようとしますが、エスターも成人女性、しっかりの弾き返して、階段から突き落とされてもまだまだピンピンしていますが、兄に向かってクロスボウで心臓を射抜いてからのナイフ滅多刺しという狂気的な殺し方が面白かったです。
母とのキッチン大戦争、食器もドカンバカン破壊しますし、良い具合に炎が上がりますし、屋根に逃げて、母をうまいこと突き落とし、助けに来た父に顔をワチャワチャした瞬間に入れ歯がとれて誰だお前!?状態に驚いて落下死、ジェットコースターの様な展開に笑いが止まりませんでした。
この家が燃えたあとに保護された彼女が「エスター」へ繋がっていき、精密な犯行や心理戦の強さ、子供としての振る舞い方が形成されたんだなと思いました。
後ろ姿が違う子役の子を使っているのはバレバレでしたが、仕方なく真正面から撮ったカットの腕長っ!と思いましたが、そういう粗さも楽しめるものになっていました。
鑑賞日 4/10
鑑賞時間 12:50〜14:40
座席 H-11