「わかりやすい演出、中盤ガラリと変わるシナリオ、ラストの前作への繋がりとかなり楽しめた。」エスター ファースト・キル むしばさんの映画レビュー(感想・評価)
わかりやすい演出、中盤ガラリと変わるシナリオ、ラストの前作への繋がりとかなり楽しめた。
前作のネタバレしかないので未見の人は、何も調べずにまずは前作(エスター)から見てほしい。
前作はDVDは持ってるけど未見。ネタバレだけ知ってる状態。
見る前に配信で見ておこうと思いつつ、結局見れないまま。
タイトルの通り前作の前の話。
ファーストキルと言いつつ、序盤で既に何人か殺していて精神科療養所に収容されているので、「ファーストキル」は間違い。普通に前日譚とかのほうが続編感あるし良かったのでは?
今回は既にネタバレしている状態のエスター視点。
古畑任三郎や金田一の犯人たちの事件簿のような倒叙ミステリー。(倒叙サスペンス?)
行方不明の少女に成り代わろうとするが、ちょいちょいミスってひやりとさせられる。
エスターの正体に気づいた鋭い警官が、早々にエスターに退場させられると思いきや、実は母親と兄も最初から偽物だと知っていて、兄が妹を殺してそれを行方不明だとして隠蔽していたという真実。
母親が警官を始末した後、エスターを脅してそのまま関係を継続させようというのが面白い。
今まで犯人視点の騙しきれるかの緊迫感から、何も知らない父の前では平静を装いながら互いに裏をかく心理戦のような展開に変わったのが飽きさせない。
エスター自身が成長しない身長から常に子供に見られるというコンプレックスを抱いていて、同じ絵を描き自分に愛情を注いでくれる父に対して愛情を抱いていく展開も説得力のあるシナリオ。
エスター役のイザベル・ファーマンは前作と同じキャストとはいえ、流石に26歳は顔に出ていて子供には見えなくて無理がある…。(直前に本物の子役が出るノックを見ただけに…)ここはキャスト重視で舞台演劇を見てると思ったほうが良いかな。
身長は真正面は上半身が多く、後ろを向くシーンは子役にしてて工夫が見える。(「工夫」だと思えるわかりやすさとも…後半からはシナリオに集中して気にならなかった)
ジャンプスケアは多いがとてもわかりやすく、伏線も武器も画面に堂々と出してくれるので何も考えずに楽しめる。
わかりやすい演出、中盤ガラリと変わるシナリオ、ラストの前作への繋がりとかなり楽しめた。
さすがにちゃんと前作も見ようと思った。