ウクライナから平和を叫ぶ Peace to You Allのレビュー・感想・評価
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ウクライナのリアルが描かれているドキュメンタリー
「ドンバス」もそうでしたけど、ウクライナ東部は2014年から内戦状態にあった事実がこのドキュメンタリーでも描かれています。スロバキアのTV局のクルーが、2016年に旧ソ連各地を訪ねて番組を作ろうとしたのが発端。旧ソ連の人々に対して、ものすごく好感を抱き、ポジティブな番組がたくさん作れるねえって思って行った最初の国がウクライナのドンバスで、全然思ったのと違って現実はこんなにややこしいのかって頭抱えたたという話。ウクライナ版ヘルズエンジェルスみたいなバイカー集団とか、初めて見る映像多し。
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絶望的な状況下にも希望がうっすら透けて見える67分
特異な地域からの、普遍の願い!
ウクライナ侵攻の火種はすでに燻っていた
紛争が長らく続くウクライナで2015年4月から取材を敢行したスロバキアの写真家ユライ・ムラヴェツ・Jr.が、新ロシア派分離主義勢力が支配する東部のドネツク側と新欧米派のウクライナ側、双方の証言をまとめた。
鑑賞後に知ったのは、新ロシア派の住民達はロシア側によって思想を統制されているという現状。本作の「プーチンの助けが欲しい」「キーウはネオナチだらけ」という市民の声も、「諸悪の根源はウクライナ側」という情報の受け売りによるものと推測できるあたりに、共産主義の名残を感じる。故に、ウクライナ側で暮らす市民の声がシニカルだったり、ウクライナ軍大佐が「誰も過去の歴史を学ばなかったから戦争が起きた」と達観しているのも妙に納得。
おそらくウクライナ紛争についての知識・関心がある日本人は少ないと思う。かく言う自分もその一人だったが、今年勃発したロシアのウクライナ侵攻が突発的に起こったものでなかった事が、本作を観て改めて認識。戦争の火種は2010年代から燻っていたのだ。
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