劇場公開日 2023年1月27日

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「とてもいいロマンス作品だった」金の国 水の国 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0とてもいいロマンス作品だった

2024年8月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

評判のいいアニメーション作品は、得てして内容がほとんどないつまらないものが多い。あくまで映画的にという意味だが。
なので、この作品についてもそこまで期待してはいなかった。
しかし、想像以上に面白かったし、何より内容も良かった。とはいっても、そこまで難しい話ではなく、シンプルで普遍的なものであるが。

最もシンプルな原点としてはやはりロマンスパートではないかと思う。
小難しい駆け引きなんかはなし。ただ、立場の違いで最後の一歩を踏み出せないだけのもどかしさ。
早々に、互いに好意を寄せていることは観ていて分かるし、ナランバヤルとサーラが相手の好意をうっすら感じていそうなところもいい。
そして、何気に気に入っているところは、この二人が結ばれることで、金の国と水の国の平和に貢献できるわけではないところだ。二人が結ばれれば万事解決では二人の気持ちの純粋さが失われてしまいかねないからね。

もう一つ良かったところは、登場キャラクターのほとんどが国の未来を考えるいいヤツだったことだ。
大臣のサラディーンなんて、ラスボスの風格漂う明らかに悪人っぽく登場しておいて、中々覚悟の決まった平和主義者だったからね。この人を突き動かす動機はピンとこなかったけれど、だからこそ余計にいいヤツに見えてくる。国がなくなるということの悲しさをなくしたいのかな。多分そんな感じ。

あとは最後に、ナランバヤルを演じた賀来賢人が結構声優うまった。
お調子者だけどふざけた感じではない絶妙なシリアスさが良かった。

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つとみ