「不朽の名作」金の国 水の国 Starseekerさんの映画レビュー(感想・評価)
不朽の名作
全く予備知識もなく見たけれど見終えたあとの満足感は最高!!
とても心温まる物語に感動しました。
主役二人の違いを思いやる気持ちに心動かされたしそれか結果としてハッピーエンドに向かう鍵となった展開も良かった。
それぞれ昔のアラブ、ペルシアや満州女真族の金国をモチーフとした2つの国の文化的、歴史的な対比も面白く象徴的に描かれていて強く興味を惹かれた。
豊かだが水の乏しい金の国アルハミトと貧しいが水の豊かなバイカリ国がつまらないことが発端で千年も争いを続けていてこれは明らかに和解してお互いの不足を補い合えれば解決するだろうにとすぐに思ったし、それを解決するために国交を開こうとナランヤバルが動きはじめ、サーラ姫との恋の行方も気になりとてもワクワクして見ることが出来た。
結局愛と思いやりや優しさを根底に持つ者が勇気と固い決意と行動力で世界を変えて行くことで争いを終わらせ平和と幸福をもたらすのだということを見せられ、これが今の自分たちのいる世界の人類が目指すべき方向を示してくれたと思った。やはりこの映画一つをとっても日本は世界に人類が目指すべき平和と調和に満ちた世界へシフトするための指針を見せられる国なんだなと改めて感じた。
それはそうと本作の各声優さんたちの演技も素晴らしくどの役の声優さんもなくてはならないと思うほど見事に演じていた。とくにナランヤバルがとてもいいヤツで誰もが信頼を寄せるような好漢ぶりが素晴らしく自分がサーラなら間違いなく同じ様に彼を慕ったろうなと思いましたね。
映像のクオリティーもとても高く3DCGを使った部分や、とても緻密に描きこまれた背景画や漫画的なキャラクターデザイン(もともと漫画原作?だなんだろうけど)も人間味があり感情や表情の表現が細く好感が持てたし、Evan Call担当の劇判も作品の雰囲気を上手く作れていたと思うし、琴音さんの透明感のある歌声もすべてが最高のハーモニーとなって作品を彩っていて楽しませてくれた。近年稀に見る名作と言えると断言できる。昔観たジブリ作品や「君の名は」以来かも知れないねここまでいいと思ったのは。
そしてストーリーがこれまた戦争というとても難しいテーマに勇気を持って挑んでいてそれに対するエンタメ的な的確な表現による一つの回答なり提案がよく描けているなと関心もした。
去年の公開当時劇場へ見に行こうかどうか迷って結局今アマゾンプライムで見たけどやっぱりこれは劇場で見ればよかったと後悔するほどの作品だね。
自分もこんな作品を映画や音楽や芝居で表現できたらとつくづく感じたよ。