「ヒロイン像が古い」金の国 水の国 LSさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒロイン像が古い
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原作未読。映像は人物も舞台造形も素晴らしく、ドラマも楽しめたが、見終わってヒロインの金の国の王女の役割が引っかかっている。
物語の根幹である、両国の国交を開き水路を造るというアイデアと計画作りに姫のかかわりが全然なく、ほぼ婿と関係者(右?左?大臣)だけで話が進んでしまう。
もうひとつの、姫の水の国でのエピソードも、そこでの体験から姫自身が前記の企みに絡んでくる訳でもない(彼の国の貧しさに触れて、王族なりの何らかの行動をとるかと予想したが、婿に妻がいると誤解しただけだった)。
冒頭の縁談を受け入れる場面からは彼女なりの国家観があるように思えたのだが、そこから父王と対峙するクライマックスまで、個人的動機しか見えてこなかったように感じる。
これが現実の中央アジアや中東の歴史をモチーフにしているなら、王族とはいえ女性の役割に制約がある(自らの結婚ぐらいしか政策実現の手段がない)という前提であっても理解できるが、フィクションであればもう少しアップデートがほしいと思った。(見落としていたら申し訳ない)
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