「野郎が100人いるならば、100人の美女がいるもの。」金の国 水の国 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
野郎が100人いるならば、100人の美女がいるもの。
こう云う内容もタイムリーと言って良いのかどうか解りませんが、啀み合い争い合う人間の歴史に幸福な未来も生活もあり得ないと解っていながら、歩み寄れない国家元首を導く‥‥的な物語を、だいぶ優しく綺麗なラブストーリーに仕上げています。
勉強不足でコレ漫画原作とは知らず、てっきりティーンズ向けの小説か童話?的な作品だと思ってました。
当初、ヒロインがイヤに太ましく、最近の萌キャラ(萌えと言う単語も死にかけてますがw)とは一線を画しているのがワリと興味深かったのですが、鑑賞して初めてそのココロに納得した次第です。でもサスガに0.1tもないと思われ、背格好からせいぜい70キロ未満では?
で、ネタの大筋はそれ程突飛なモノではなくコレまで見聞きした事ある?様なモノですが、各キャラがシッカリ引き立っており、場面も綺麗に構成され展開もスムーズでした。ただもうチョイとばかり抑揚とキレが欲しかった気もしますが、良い仕上がりで面白く鑑賞できる作品だと思います。
片や中東系の国、もう一方はユーラシア系の国と、シルクロードで結ばれる東西、みたいな環境描写もナカナカ良好でした。
マイナスなのは、ヒロイン・サーラの惜しい演技。キャラの性質上オットリ穏やかなので、専門外の中の人でもマァ雰囲気は良かったのですが、上昇したテンションの演技のノリがあまり良くありません。幸い “リヴァイ” や “ギレン・ザビ” の中の人、他の上々な演技でバッチリ覆い隠していたので、取り立てて気にはならなかったです。
またコレは原作の問題なのですが、戦争を起こす両国のツマラナイ原因がお伽話に振り過ぎなところ。サスガに犬猫の糞尿とか子供騙しのレベルで、作中の “口封じに家族を人質” 云々とのバランスが良くありません。
更には、中後盤のサーラの勘違いはイマイチピンとこなかった、と言うか不自然な空気だったので、その辺もう少し工夫が必用だったかと思われます。加えて尺都合なのかシーンが足りない感じも受けました(原作通り?)。
上記以外は全般的に良作レベルにシッカリ纏まっています。それにサーラを何やカンやとコケにする場面がありますが、表題に掲げた通り、人の好みなんて千差万別・人の数程あり充分お好みの貴兄も多かろうと思います。自分も実はモチモチ系は嫌いではありませんw
関係ない話ですが、今を以って国際社会では共存や助け合いの精神がなく仲良く出来ず、常に奪う事しか能がない古すぎるバージョンの指導者が絶えません。私達の方がそう言ったロジックとレベルを合わせないと平和を維持できない現状に腹立たしく思うばかりです。