「【”自国の利のみを追求する隣国との戦争など、即時止めよう。そして、両国が国交を開き、協力してSDGsを達成しよう。愚かしきルッキズムなど真の愛で吹き飛ばそう!”今作は鑑賞後の多幸感も良き作品である。】」金の国 水の国 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”自国の利のみを追求する隣国との戦争など、即時止めよう。そして、両国が国交を開き、協力してSDGsを達成しよう。愚かしきルッキズムなど真の愛で吹き飛ばそう!”今作は鑑賞後の多幸感も良き作品である。】
ー 今作の原作漫画は、その基本理念が素晴しく、2016年の発売当時読み耽ったモノである。
だが、現況下、この作品が発するメッセージは更に重くなっている・・。ー
◆感想<アニメーション映画としての今作の良き所。一部内容に触れています。>
・裕福で水以外は何でも手に入る砂漠の国”金の国、アルハミト”の80数番目の王女サーラの声を担当された、浜辺美波さんの柔らかで優しき声が優しき心を持つサーラにバッチリ嵌っている。
当たり前だが、漫画では声は脳内で推測するだけだが、何ら違和感がない。
貧しいが豊かな自然を持つ”水の国、バイカリ”の建築士ナランバヤルの声を担当した賀来賢人さんも同様である。
ー このお二人の声が、原作漫画に彩りを与えているのは間違いない。-
・2016年当時も、世界各地で紛争が起きていたが、現代では悪化する一方であるのはご承知の通りである。
故に、このタイミングで隣国との戦争を止め、協力し合い、持続可能な開発目標を達成しようとするこの作品が発するテーマは尊崇である。
・又、バイカリの族長が、サーラの容姿を見て言った言葉など、愚かしきルッキズムの極みでもあるが、そんな言葉など、今作で描かれているサーラを命懸けで守るナランバヤルの姿を見れば吹っ飛ぶのである。
<以下、内容に触れています。>
・”金の国、アルハミト”を統べるラスタバン3世が、先王ラスタバン2世が”バイカリ”と国交を開けなかった事を恥とし、怪しげなマッサージ師上がりの好戦派であるピリパッパを右大臣に付ける処などは、何処ぞの国で起こっていてもオカシクはない。
・だが、ピリパッパの指示による暗殺から逃れるために、王族のみしか知らない回廊をサーラと共に明けたナランバヤルが、自分の重みが心配だというサーラに対して
”お嬢さんは二度と置いていかない!もし落ちるなら一緒に落ちよう。”
と言う言葉と、迫るラスタバン3世を説得する言葉の重みは、北の国を統べるピョートル大帝を信奉する男に聞かせてやりたいモノである。
<今作は、原作漫画の内容を忠実に踏襲している。
だが、アニメーションならではの、登場人物の声がイメージ通りであり、(ナイス・キャスティングである。)更には物語が動く事で、原作の良さを更に引き出している佳き作品である。
鑑賞後の多幸感もとても良い作品でもある。>