劇場公開日 2023年1月27日

「古沢良太マルチバース」レジェンド&バタフライ shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0古沢良太マルチバース

2023年1月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

とにかく可愛い!
序盤のキムタクが、やんちゃな少年にしか見えなくて驚愕!同年代なんですけど〜。
ヤグラを駆け上がる勢いの高揚感ったら。
キラキラしたおめめにキュンキュンしちゃいました。
照れ隠しではにかんだ表情も最高!

それでいて、徐々に私たちの共通イメージである“信長”の顔つきになっていく。
改めて、役者として素晴らしい方だと感じました。

もちろん綾瀬はるかも素敵。
上から目線の姫言葉が、ものすごく良いっ!
アクションも出来る方だと思っていましたが、俊敏な身のこなしが実にカッコ良かったです。

ポスターの二人の横顔のビジュアル…
この表情の意味がわかってギャン泣きでした。
もし「泣けるか泣けないか」で、映画を見るか見ないかを判断する方がいるのだとしたら、
安心してご覧ください。私は3回泣けました。

そして、なんと言っても注目は二人の掛け合いですよ!
古沢良太さんの脚本は、固定概念(思い込み)が二転三転と覆されるところと、軽妙なセリフの掛け合いが魅力だと思っています。
『リーガルハイ』の立板に水のようなスピード感とは違って、むしろ落ち着いた大人同士の掛け合いがグッときました。
お互いに意地をはってしまう切なさとか、悪口を言いながらの信頼感とか。

固定概念といえば、意外なキャスティングも見どころでした。
宮沢氷魚くんは、勝手に森蘭丸だと思っていたので。えらく色っぽい明智光秀になってしまうのでは?
ん?まさかそれが狙いなのか?(←この後で詳しく)
でも、一番「誰??」と思ったのは斎藤工さんですが。笑
間違いなく新境地!
こんなにコミカルで腹黒い演技も出来るなんて。イケメンフェロモンが彼の実力の足枷になっていたことを思い知らされました。
固定概念が覆された〜!笑
なかなか思い切ったキャスティングで、楽しかったです。

ちょっと横道に逸れましたが。(^^;
キャスティングではなく、古沢良太の脚本としての固定概念の覆しについて。
↓↓↓
歴史物って、マーベルやDCと一緒だと思うんですよね。
誰もがある程度知っているキャラクターなので、とっかかりの説明が不要だし、観客も身構えなくて良い安心感がある。
なんなら世界観の説明も割愛出来るから、すぐ本題に入れて便利。
んで、民間伝承も含めて“諸説ある”部分を自由にアレンジして、それを観た観客は「そうきたか!」と楽しめる。
ある意味、二次創作の楽しさですね。
歴史には詳しくない私ですが、かなり大胆に固定概念を覆してきます。
濃姫はもちろん、明智光秀を宮沢氷魚くんに演じさせた意味!
諸説を活かしたラストの心の揺り戻しはジェットコースター級でした。
そうか〜。古沢良太さんと歴史物の相性は良かったのね。
『どうする家康』を見始めたばかりなので「松潤がこんな斎藤工になるのか?」と、早くも古沢良太マルチバースを楽しんでいます。笑

shiron
shironさんのコメント
2023年3月5日

uzさん、コメント有難うございます。
聖徳太子キリスト説とか、義経ジンギスカン説とかも楽しいですよね。

shiron
uzさんのコメント
2023年1月31日

『二次創作』、そうですよね。
自分のレビューでは『異説』としましたが、有り体に言えば『妄想』なわけです。
今までも教科書が書き換わることは何度もありましたし、「これが正史だ」とこだわらずに
ひとつの物語として観れば、間違いなく面白い作品だったと思います。

uz