劇場版モノノ怪 唐傘のレビュー・感想・評価
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難しい!
久しぶりのモノノ怪の新作は、やっぱり自分の中に落とし込むには、いい意味で時間がかかる作品だなと思いました。
最初は薬売りさんの声に違和感を感じましたが、最後は全く感じなくなり、役者さんの力を感じました。新しい薬売りさんも新鮮ですね。
周りに染まる事、物への執着…人が人であるのはとても難儀だなと感じました。次回作があるとの事で今からとても楽しみです!また観に行きます。
今回の唐傘は「水」がとても印象的に使われていました。
水の中に物を捨てる、水を飲む、水を被る、雨が降る…
人が空気に流される事や自由に思考する事を、水を使って表現していたのかな。
カメとアサ、一見、カメの方が大奥に憧れがあると思いきやアサの方が大奥への憧れが強かったのが驚きでした。それ故に、アサは水を受け入れて大奥に残り、カメは最後まで水を拒みおばあちゃんの待つ国へと帰る…カメの頭にはアサから送られたであろう光る簪が刺さり、胸元に大切なおばあちゃんの簪が入れられているのがとても好きな場面でした。
次回作は決して燃えない毛皮を持つ火鼠が題材だそう。
地下にあるあの建物とその横の入り口の話を見れるのか、とても楽しみです。
Love Sick
アニメシリーズを少し前に観てたなと思いつつ、キャラとか忘れてたらいかんなと思い少し予習して劇場へ。
特典はポストカードでした。
90分にも満たない上映時間のはずなのにとんでもない情報量と濃密なアニメーションがWで襲ってくるのでお目目が大変幸せでした。
大奥での女性の蔑ろにされていた部分というよりかは、女性同士の立場での嫉妬や蹴落とし合いが強く描かれており、TVシリーズよりホラー味は薄れていましたがファンタジー色が強くて物語ごと大胆に噛み砕くことができました。
話を全部全部理解するのはかなり厳しい気がします。
場面転換がとても多いのと、美しさにステータスを振りまくっているせいかお話はダイジェスト感が強めで、登場人物が匂わせだけの人物もいたりと、どこに焦点を絞れば良いのか序盤はかなり困惑させられました。
物語自体も続編込みの作品なのでスッキリとした終わり方ではないのは好みが分かれそうですが、そんな戯言を黙らせるレベルのアニメーションに圧倒させられました。
アニメーションが和を感じさせる色合いやタッチでとても鮮やかでしたし(これでもTVシリーズよりかはクセが薄くなっていた気がする)、アクションシーンなんかはもう目まぐるしく動く動くの連続で見応えが凄かったです。
舞台自体は大奥の館がメインで箱庭的な感じで進んでいくんですが、雨だったり雲だったり、カラフルさや襖に映るおどろおどろしい色合いだったり、妄想と現実が入り乱れるような場所の転換だったりとアニメーションが色んな方角で暴れまくっていて最高でした。
声優陣のパワーは絶大で、神谷さんの新たな薬売りも地に足付いていてこちらも良いなと思いました。
黒沢ともよさんの感情の爆発っぷりときたら凄まじ過ぎて度肝を抜かれました。
悠木碧さんの爛漫な感じに隠れる闇だったり、小山さん、甲斐田さん、ゆかなさんの大奥の面々の奥ゆかしさと仰々しい声色、ざーさんのお淑やかで高貴な感じ、梶さんの真面目な雰囲気と相反するように福山さんのおちゃらけな感じと脇を固める面々も強力過ぎて、声優ファンなんて絶対観にいかなきゃ損だよレベルのエグさでした。
エンドロールがちと長い(クラファン出資者の名前を刻んでるのでしゃーなし)のは惜しいところで、もう少しバックの映像に遊び心があればなーと思ってしまいました。
三部作という事は知らなかったので、そうなのか〜くらいでしたが、アニメーションが素晴らしすぎたので次回作も間違いなく観ると思います。
これは大スクリーンでこそより光る作品だなと思いました。
鑑賞日 7/30
鑑賞時間 18:30〜20:10
座席 F-3
世界観を楽しむ映画なので、アニメ観てからがオススメ!
アニメの時と同じ雰囲気を、映画館の大きな画面と音響で楽しめて最高でした!!
アニメ観ずに映画から観るのは無謀だと思う。かなり好き嫌いが分かれる。
映像美とテンポの良さは良かったが、ターゲットの人選が上手く理解できなかった。その辺りはアニメの方が分かりやすかったかも。
期待値は半分でした。
元々のテレビ版が好き過ぎて、橋本さんの降板や声優の入れ替えでかなりショックは大きかった。そんななかとりあえず見ておこうと思い鑑賞しましたが、テレビ版と比べてやはり展開が早いと思う。薬売りさんの間やスローペースにみんなが躍らさせていくのも1つの魅力だと思っていたので。監督曰くこの世界の薬売りさんはこう。って別次元の薬売りさんとして見るのが吉だと思う。映像美は今まで通りでしたがテレビ版最推の私にとっては結局中村✕橋本✕櫻井のトリオが好きでした。という感想になりました。
制作側の観客目線の無さを感じてしまった
旧モノノ怪が大好きで何回も見ました。
今回もすごく楽しみにしていましたが、個人的にはものすごくがっかりな作品になっていました。
高く評価している人が多いのが不思議です。
観終わってすぐの感想が「制作側の自己満足雰囲気映像集」でした。
こういうシーンやりたい!の詰め合わせです。
元祖モノノ怪は独特な演出にも関わらず話はわかりやすく、登場人物の感情も理解しやすく、ミステリーものとしても毎回きちんと解決していて楽しめました。
今回の唐傘は、無駄に登場人物を出す割に各役割があいまい、メインキャラクター2人含む登場人物全ての感情と存在感が薄っぺらく電波感があって誰一人として感情移入できるキャラクターがいませんでした。
登場人物がしょっちゅう「ああ、そうだったのね、そういうことだったのね」みたいな反応連発しますが、詳細は描かれないのでえ?何が?状態です。
ストーリーも全編ほぼ意味不明。
ふんわりわからなくはないんだけど、納得いかずもやもやする感じです。
全部をオブラートに包んでわざと意味不明にして高尚アーティスト気分に浸ってるような印象です。
お客さんに考えさせる考察系みたいなこと言いながら、無駄で不必要な要素をふんだんに盛り込んで観る人にストーリーを伝えることを放棄して混乱させているだけに感じました。
過去作ならすっきりと「形」「真」「理」が最後にはわかるようになっていましたが、今回はほとんど納得できませんでした。
怪異が起きた理由も弱すぎる上に急に現れた新キャラが原因とか推理ものとしてもどうかと思いました。
とにかく全てが「雰囲気」だけで進んで行きます。
最後に薬売りさんが解決後に「しかし形がわからぬ」みたいなことを言ってた気がするのですが(話を理解しようと必死だったのでうろ覚えで違ってたらすみません)、形がわからないのになぜ退魔の剣が抜けたのかも意味不明でした。
映像はきれいだけど、それだけという印象です。
なんだったら引き算がなさすぎてやりすぎ感がすごい...
登場人物の演技もポップな今時チープアニメ風になりすぎて、モノノ怪の独特な良い雰囲気は消し飛んでました。
期待していたアクションシーンも過去作の方が良かったように思います。
というより、目新しいことなく同じようなアクションシーンのリメイクといった感じを受けました。
過去作が好きすぎてつい辛口になってしまいましたが「何回も観てやっと理解できる、何回も観ないと理解できない」を狙って作られた映画は私は駄作だと思っています。
伝える能力がないとしか。
考察系というジャンルは嫌いじゃないですが、これは全部が全部を意味不明にしすぎです。
次回作もこんな感じなら観ないかな...
退魔の剣の声が
退魔の剣の声が違うのが、ちょっと残念。
あとは概ね良かったです。
後ろの方が「ぜんぜんわかんないんだけどぉ〜」と言っていましたが、私もわかりませんでしたw
小説版で補完できるかな?
3部作なのはネタバレ踏んで知ってしまっていたのですが、舞台は全部大奥なのかな??
唐傘に関しては、「女の情念」をそれほど感じなかったので、そこら辺は次からかな??
とりあえず伏線散りばめ…、次回を楽しみにお待ちしてます
期待していただけにガッカリ
TVシリーズはもちろん、初代「化猫」からのファンでお気に入りのアニメということもあり、この映画のポスターをコンビニで見た時は衝撃を受けました。
すぐに今まで買ったことない前売り券を買い、心躍らせながら映画館へ足を運びました。
始まってすぐに違和感を感じました。
映像はキレイですが、TV版の背景美術はその時代を感じさせる図案であったり、そのシーンのそれぞれのキャラの心情などがうまく表現されていました。
しかし、今作は特に意味を感じられるものがなくモノノ怪っぽさを出すためだけに極彩色にしたように感じました。
また、他の方も言われていますがセリフの「間」が一切なくなっているので、モノノ怪の独特な怪しい雰囲気がなくなり、妖怪映画ということを忘れるくらいポップな普通のアニメになっています。
映画鑑賞後、監督のインタビューを読みましたが最近は1.5倍速で映画を観る人がいるという話を聞いて、だったら1.5倍風の作品にしようと思って場面切り替えを早くしたそうです。
切り替えを早めた関係で「間」がなくなり、シーンにおいても妖怪が襲い掛かっているシーンは全て位置関係などが意味不明になるくらいに早かったので、その分しっかり描写をしてほしかったです。
あと、往年のファンからクラファンして作ったファン向けムービーで、等倍でじっくり観たいファンを差し置いて、映画を1.5倍速で観る人向けに作るのはどうなんでしょうか。
ストーリーに関してもずっとモヤモヤしていました。
先にも書いたようにセリフの「間」がないので、腹に何か抱えてるなと思わせたり影を感じるシーンもほぼなく、出てくるキャラみんなが見たまんま、言うてるまんまなのでキャラの深みがないし、中盤まで仕事のできないカメちゃんと新人いびりが続き正直しんどかったです。
後半クライマックスになってからはよく分かりませんでした。
井戸の中に飛び込んだ三郎丸はなぜあんなに号泣してたの?
ってか、死体多くない?
それに一番腑に落ちないのは唐傘になった理由です。
今までだと、そんなことされたら妖怪になっても仕方ないよねという情念がありましたが、唐傘って、終始北山さんが独り相撲してませんか?
大奥に入る→できない同期の面倒をみる→だんだんイライラしてくる→実家に帰らせる→仕事がはかどる→あれ?あの子いなくなって張り合いがなくなったな→仕事にやる気がでなくなる→鬱になる→井戸に落ちる→唐傘になる→新しい子を見てるとあの頃の自分のよう→この子をいじめないで→殺害 みたいな感じです。
アサちゃんの「誰も恨んでいないと思います。」がすべてを物語っていると思います。
登場人物全員、殺された人たちですらほぼ北山さんと接点がないですから恨みようがないですよね。
ですので、印象としてはとばっちり感、北山さんの独りよがり感がすごく、全然共感できませんでした。
監督のインタビューに書かれていた思いを表現するためにこうしたのかもしれませんが、妖怪という人ならざる姿にまで身をやつして成し遂げたい理由にしてはあまりにも弱いと思います。
ほとんどストーリーに絡んでいない人物も数名いたのでこの人たちは必要なのかと思いましたが次章に続くそうで、そのためかと納得しました。嬉しいはずの次章発表が、まったくワクワクしませんでした。
臭い水を飲む理由や意味ありげな社なども次章以降に解き明かされるのか気になります。
しかし、エンドロールの紐の描写を観るにあと2,3話あるのかなと思いますが、正直、今作を観てTV版とは全くの別物という印象しかなかったので次作以降は映画館に足を運んでまで観ようとは思いませんでした。
10年以上の歳月を経て、またあの「モノノ怪」を観ることができると期待を膨らませすぎたのかもしれません。
大奥という場所は満たされない場所なのか
声優さんたちの演技に引き込まれ、映像の美しさに圧倒されました、まるで横尾忠則の絵の中に入ってしまったかのような気持ちになります。
大奥の憧れてやってきた二人、カメとアサ、話がすすむうちにカメの性格、行動に自分は少し辟易してしまいました。
そこそこの美貌と愛嬌がある、だけど、何かに秀でている、得意なことがあるわけではない、だけど大奥でそこそこの地位につきたい、お手付きになりたいという欲望はある。
カメはある意味とても人間らしい、だからこそアサは彼女と仲よくできるんだろうな、でも他の女中たちの恨みをかってしまうのは無理ないなと思ってしまったけど。
多くの象徴的存在である歌山、北川、この二人がいなくなっても大奥は存在する、天子だって、もしいなくなったとしても代わりは、すぐにてでくるだう。
歌山はアサ、北川はカメ、なのか。
アサは大事なものを捨てなかった、カメはどうなんだろう、大奥を去ることで失わずにすんだのか。
釈然としないようだけど、これで良かったんだと思う自分もいます。
映像美と音楽に圧倒された・・・が・・・・。
TVシリーズ視聴済。あの独特の世界にすっかり「沼落ち」したひとりです。
なので「モノノ怪」の色鮮やかな美術や、他に類を見ないあの圧倒的な映像美はよく知っているつもりだった。それが劇場版ではパワーアップしていて、さらに音楽の凄まじさに押しつぶされ飲み込まれるようであり、映画が始まって一瞬で「ああもう逃げられない・・・!!」となってしまった。
人物像の描き方もTV版の演出をもっとエスカレートさせたような目まぐるしさ。これはあの世界を知らない人が見たらきっとびっくりして違和感を覚えるのでは。そんな心配までしてしまった。
大奥の世界は、ちょうど今大河ドラマ「篤姫」の再放送を見ているので雰囲気は少し理解していたつもりだったが、モノノ怪版大奥は、上下関係から役職、お務めの内容までこれもまためまぐるしく展開するので「ちょっと何やってるのかわからない」状態。
そしてふたりのおしゃべりな男、三郎丸と平基。さらに金髪の男性はいったい誰?なんの役職なの?これは後で調べるとして。このひとたちの存在意味がよくわからなかった。
坂下さんはTVシリーズの小田島さんみたい。悪い人ではないがよく薬売りさんにからかわれる役回り。
そして、退魔に必要な「形」と「真」そして「理」を明かしていくシーンがもう怒涛のように展開し、はっきりいって「わけがわからない」。大奥ならばまず、公方様に寵愛されるご中臈様への妬み、自分より下っ端なのに出世していく中居への妬みが渦巻いているはず。北川様はどうして殺されたのか、それが本当に謎。映像と音楽が凄すぎて内容が頭に入ってこない、まさにそんな風であった。
主要人物のアサはともかく、カメが煩すぎる割に物語の核心にさっぱり入りこまず、この子はいったい何だったの?と思ってしまう(自分の見方が浅いのかもしれないが)。
「海坊主」の加世ちゃんも賑やかだったけど彼女のほうが見ていて楽しかったぞ。
女(と男)の情念が渦巻く場ならば大奥よりいっそ、吉原を舞台にしたら良かったのではなどと思ってしまった。
もう一度よく内容を噛み締めて、登場人物の心情をよく思い返してからまた観たいと思った。
そしてそして・・・!!!!
一番の「推し」薬売りさん。TVシリーズのビジュアルが大好きだったが、劇場版のポップな感じの彼も悪くなかった。神谷さんの声も違和感なし。
でも、TV版では人間の愚かさや情念をおかしんだり愛おしんだり、関わる登場人物をからかって楽しんでいたり、そんな姿の彼があったように思う。そのあたりがあまり描かれず残念。そして・・・残念すぎたのは「ハイパー」(解き放たれた退魔バージョン)さんのビジュアル!!
あれはマジでいただけない。TV版と同じにしてほしかった。(←あくまで個人的趣味)
まあ色々あるけれどこの作品が稀有で素晴らしいことには変わりない。何度か観に行って、次回作も楽しみにすることにしよう。
感想というより考察です
何故、唐傘という妖怪なのか。
めちゃくちゃ長いエンドロールの時間を考察にあててみました。
ストーリーは三部作が前提のようで、理解するのがかなり難しい…気がします。
映像はとても綺麗で、声優さんの演技も前のと寄せていて素晴らしく、これぞモノノ怪といった感じ。
大奥という男子禁制の場所で渦巻く情念の話は、少し分かりづらい部分が説明されず…。
ここから先は考察になります。
・考察
仕事ができる人は必要とされます、承認欲求を満たすためには他人を使うしかない…。
傘が必要とされるのは、雨が降る時だけ。
作中で北川様が「枯れては駄目」と言った時、私は"心が枯れてはいけない"という意味ともう1つ、"井戸が枯れてはいけない"という意味もあるのかと思いました。
犠牲になった麦谷や淡島が雨水に変えられ、井戸は潤うのだろうか?
これは予想ですが、恐らくうつ病になってしまった北川様が餅の前で悲鳴をあげたのは、別のモノノケのせいな気がします。
北川様が行方不明になったのは、唐傘が形をなして産まれる前。
だから北川様が死んだ原因は、恐らくは別にある…ような。
最後の方で薬売りさんも、井戸の白い御札を見てまだ何かが潜んでいるかのように描写されているように感じました。
井戸の奥に鎮座する注連縄に巻かれた何か、エンドロールで散々見た意味不明のものですが、パッと見の印象は何かを封印してるかのようです。
注連縄の巻きついた柱には青い肌の神様のような、インド神話でいうシヴァのような人が描かれています。
井戸の中には天国のような蓮池やお花もあり、上から捨てられた死体などがあるのを見ると…何か意味があるように思えます。
井戸の奥の壁、長い蛇のような鱗をもつ龍…私はこれを見て、水の神ともいわれる"蛟"という妖怪を連想しました。
しかし次の作品はどうやら"火鼠"の様子。
タバコを吸おうとした金髪の男(?)に向かって言われた「お水様は火を嫌う」という作中の言葉を思い出します。
雨が止めば、火は燃え広がる…そういう事なのかな?とここまで考察しました。
ともあれ、次回作が楽しみです!
妖怪熱は消えない
妖怪好きな息子と観ました。最近、再放送が始まりとにかく映像表現と鬼太郎映画から少し熱が冷めそうなこのタイミングで復活でいきなり劇場版は当時ハマっていた興奮の記憶を呼び起こしました。息子と次はネタバレしてますが、第3弾の人外の「ものの怪」について何がくるか、またエンドロールの意味するものが何なのか楽しく語りました。三月まで待ち遠しいですが、しばらくまた再放送で親子の楽しい時間が作れそうです。素晴らしい時間をありがとう。ラストの待ちにまった変身、転生後のお約束アクションシーンはたまらなく入り込めますね。
またモノノ怪が観れて嬉しいけど…
言うほど女性の救済に焦点を当てているように感じなかった。本テーマは誰しもぶつかる壁だと感じたし現代の課題には違いないけど舞台が不一致に思う。
大奥という舞台を活かすならそれなりの「情念」を掘り下げて欲しかったし、主題歌や前もって告知していた「女性の救済」に本題が沿えていないことが作品に迷いを感じる。
とくに難しいことはなく、難しく「感じさせる」思わせぶりなキャラクターの動かし方などが煩わしい。
足し算より引き算を如何に駆使するかでこの作品はより昇華されるものだと思う。
映像美は良いが、話し言葉がすっと入ってこないので字幕上映が必要だと思う
2024.7.29 MOVIX京都
2024年の日本映画(89分、G)
TVシリーズ『モノノ怪』の続編劇場版
薬売りが謎解きとモノノ怪退治を行うミステリー&アクション映画
監督は中村健治
脚本は山本幸治&中村健治
物語の舞台は、江戸時代の宮中・大奥
そこには天子様(入野自由)のために多くの女中がいて、それを管理するのは御年寄(小山茉美)の歌山だった
歌山は、教育係の淡島(甲斐田裕子)に新人教育を任せていて、女中たちは御水様のための儀式に向けて準備を始めていた
先の儀式はアクシデントによって日程変更を余儀なくされていて、今回は予定通りに行うことを肝に命じられていた
そんな大奥に、役職に就きたい上昇志向のあるアサ(黒沢ともよ)と、憧れを抱くカメ(悠木碧)がやってきた
淡島は二人を所定に配置し、教育を始めていく
二人の仕事は女中たちの食事の手配などを含む多くの雑用がメインだった
大奥は男子禁制の場となっていて、七つ口の警護には坂下(細見大輔)があたっていた
そんな彼の元に薬売り(神谷浩史)がやってきて、色々と探りを入れてくる
また、前回の儀式の延期に疑念を抱く時田三郎丸(梶裕貴)と平基(福山潤)が視察に訪れていて、それを歌山は快くは思ってはいなかった
映画はTVシリーズの続編であるものの、どうやら薬売りは複数いて、これまでの薬売りとは別人のようらしい
声優が交代し、ビジュアルも変わっているのだが、やっていることは同じと言う感じになっている
薬売りは謎解きをするものの、その先にはモノノ怪の始末というものがあって、そのためには「形」「真」「理」が必要になってくる
薬売りはそれを見極めてから退魔の剣を抜くことができ、それによってモノノ怪を斬れるという流れになっていた
TVの続編であることを知らずにパンフレットを購入し、その惰性で鑑賞することになったが、予告編の段階から、和紙のようなエフェクトがかかっているビジュアルが気にはなっていた
映像美を堪能する映画だと思いつつも、言葉遣いが独特で、専門用語らしきものもたくさん登場する
公式HPでいくつか学べると思うが、パンフレットは充実していたので、用語を頭の中に入れておいて、すんなり漢字変換できるようになった方が理解は進むと思った
いずれにせよ、ビジュアルに特化した内容の割にストーリーが結構難しいのが難点
いっそのこと字幕上映をした方が良い内容で、すっと言語が入ってこないのは難点だと思う
物語自体は理解できれば単純だが、そこに辿り着くのに時間がかかると思う
単純に大奥内の女性の嫉妬が原因でといういつもの感じなので、無理に難解に捉えるよりは、美と年齢、能力に嫉妬を覚える役職が自分の地位に固執してモノノ怪を生み出して、それが堆く積もり積もっているという理解で良いのでは無いだろうか
TV版未視聴はじめましてですが……
大学の友達がTV版視聴済の大ファンで、誘われたので見ました。
話は難解で分かりづらい。
映画視聴前、アニメ版見ないと分からないのかな?と思いつつもその友達に聞くと映画単品でも分かると言われたので見ましたが内容が分からない。
例えば、二人があんなに生臭い言ってた水も途中からは飲めるようになる→でもカメちゃん途中で水ぶちまけた!どうなる?と思ったらすぐ別シーン……と気になる所で切り替わるのが消化不良感
特に分かりづらくなっているのは過去の回想シーン?と幻想シーンが混ざりあってるせいですかね。あと場面がすぐ切り替わるからかな。
薬屋さんはミステリアスな雰囲気を醸し出し、高作画と相まって非常にかっこよかったです。和風なのにポップで、和紙のような質感がありました。
そしてバトルシーンもグルングルン回り水の描写も、大奥のきらびやかな装飾もとても素敵でした。
あとは、本当に個人的ですがカメちゃんの行動がアサちゃんに頼り過ぎ、本人やる気無さすぎでイライラした……他に言ってる人がいないので自分が許容出来ないだけかも
友情と仕事のお話
舞台は架空の和風世界。それぞれ夢を抱いて大奥に働きにきたアサとカメ。ふたりは同期の友情をはぐくんで行くが、しっかり者で自分の考えを強く持つアサは順当に出世し、どんくさいカメは上司にいびられアサに気を使われ次第に二人の仲は微妙なものになっていく。その過程でアサは過去に同じ境遇にいた「北川」という女中の残留思念に出会う…
閉じられた組織の中で上手く立ち回ろうとするも、次第に心が乾いていってしまった「北川」。良い子が仕事ができることは限らない所や、若い頃は野望に燃えていたが次第に澱が溜まり、心が病んでいってしまうサラリーマンの哀愁にも通じるところがあり、多少共感できた(謎の儀式やなぜ唐傘?という疑問など、少しノイズは多いが…)。
一応一話として完結しているが、お水様などの設定は謎のまま。
三部作とのことなので別視点でいろいろ明かされていくのだろうか。
カメが死んだり闇落ちしたらものすごく後味の悪い話になっていたと思うが、そうならなかったところは良かった。
メッセージは伝わった
「大切なものを捨ててはいけない」これがこの映画の伝えたいメッセージだと思う。
生きるため働くために、大切なものを捨てることがある。だけど捨てすぎると心が弱ってしまう。
北川は大切なものを捨て、鬱になり井戸に落ちて亡くなった。しかし里に帰ったことにされ事件は隠され、大餅曳きは延期になった。アサはカメが好きだったが、北川と同じように大奥のため思いを捨てようとしていた。アサは唐傘に取り憑かれ、唐傘は大切なものを奪おうとする者を襲い始める。
唐傘を退治しお互いに大切に思っていることに気づいたアサはカメを見送り、カメを想いながら大奥で生きる決心をした。
井戸の水は大奥の苦しみや悲しみなどの感情で、飲み込むことで消化しようとしている。
少し難解ですが、TV版も難しい話があったしモノノ怪らしいといえばモノノ怪らしい。
楽しめたが次回作に期待
謎が謎を呼び、本作の特徴で説明無しだからTV版モノノ怪に慣れてないと形と真と理が分かりにくいのは健在で逆に安心しました。
御新規さんにも垣根は敢えて下げないな(笑)
TVシリーズからのファンだが薬売りさんの声優交代も以外と全然気にならなかった。
初期バージョンのAYAKASHIの時は寧ろこんな感じだし回を重ねてねっとりゆっくりな感じなったので映画みた後TVシリーズ海坊主を再度見たが役作りすぎと思った位。
これから不満点
真と理はこれ?と言うくらい軽い薄いモノノ怪になるくらいの怨念と情念が今回の劇場版では薄い
この程度で化けてでる?みたいな。。、TV版ではこっちの胃がキリキリする弑逆や情念に対する怨念の化身なんだけどな。。。
あと形が、「傘化け」だよね、なんで傘化けなのがわからんあの人形あたりからかもですが。。形の選択が?理不尽が本作の真骨頂なのはわかるがかなり?
環境音、音楽は変えてもいいが
だけどモノノ怪を感知した時のあの重低音は継承出来なかったのかな、全てを排除して全部を作りかえたかったのはわかるが一応モノノ怪シリーズなんだから継承感は欲しかったな。
(江戸に向かったカヨさんあたり出たら感動一入だったのだが個人の感想です)
しかし和紙に極彩色の色設定、江戸時代+異国感、
新曲もあって全体としては結構楽しめた
しかし物語の主要キャラらしき人々が触り程度しか出ていないし次作もあるらしいので本作は露払いかなとも思う、次回作に期待したい
う~ん
テレビシリーズ大好きでDVDも購入してます。
初日に早速拝見してう~んと思った違和感を幾つか。
先ずキャラデザ。薬売りはまだしも、キャラが今風アニメな顔になってるので、背景の和紙が活きてない。むしろ邪魔。
また背景のカラーリングも良く言えば絢爛豪華、悪く言えば目がチカチカ。両方とも、モノノ怪はこうでなくちゃとこだわってるのでしょうか?それならキャラも以前の雰囲気を踏襲して欲しかった。
それからストーリーですが、ぽっと出の新人がとても大切で重要なイベントのメインを張ることが出来ます?!(そもそも先ず自分の大切なものを井戸に捨てる慣習の起こりがわからない。またそれに逆らって自分の大切なものを捨てようとしない人物を抜擢する意味もわからない)
モノノ怪の正体はどうやら北川?なのかと思って観てましたが、大奥ならば、彼女以外にも、必死で生きて戦って破れていった女性達がもっとたくさん居ようものなのに、モノノ怪になった(なれた?)のが、彼女一人!?
この世界の大奥って、軽いんだなと思ってしまいました。
結局ストーリーがアサありきで作られており、そのために女心の掘り下げが足らず全般に薄いストーリーになってしまったんだと思いました。
それから薬売りのお声について、残念な事がありましたが、この程度の掘り下げのストーリーだったら交代する必要はなかったように思います。
なので神谷さんが嫌いとかじゃなく、むしろ大好きな声優さんですが、本作に限っては、脳内で櫻井さんのお声に変換しながら聴いておりました。
全61件中、21~40件目を表示