「ビジュアル(特に背景美術)では「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示...」劇場版モノノ怪 唐傘 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
ビジュアル(特に背景美術)では「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示...
ビジュアル(特に背景美術)では「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」以来の鮮烈さ。あるいは豪華絢爛にして不穏極まりないアニメ版「サスペリア」?シリーズ未見なのと、画面の情報量が多すぎて、一度の視聴ではストーリーを十全に把握できた気はしない。和洋混交した極彩色の背景とテンポの良いカットとホラーめいた演出に女たちの情念(特にアニメ離れした表情が素晴らしい)まで載せられると、流石に視聴者の方が処理落ちするというもの。上映時間は90分だが実質3時間くらいの映画を見たような心地よき脳と眼の疲労を覚えた。ただ、大奥という権力のために女たちが性と生殖において競い合わされる場所の特質が、ほぼ前半だけで描写が終わってしまって(描写そのものは夜伽の間の西欧絵画的なビジュアルと相まって非常に厭らしくて良いのだが)生かされきれず、ヒロインたちはほぼ事務職で競い合うのは、僅かながらシナリオ上の弱みだと思う。
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