「シェフの恨みが壮大なメニューに。皮肉を込めた描き方に好感。」ザ・メニュー あささんの映画レビュー(感想・評価)
シェフの恨みが壮大なメニューに。皮肉を込めた描き方に好感。
予約の取れない孤島の超高級レストラン。
シェフから招待を受けて訪れた客の顔ぶれは
グルメ批評家、富裕層老夫婦、成金IT億万長者
グルメリポーターに転身しようとする落ちぶれかけの俳優、ミーハーなグルメ通と彼に連れられてやってきた何者でもないマーゴ。
彼女が本作の鍵を握っていて、彼女を通して強いメッセージを訴えている。
想定外のサプライズの数々には、思わず目を塞ぎたくなるグロいシーンも。
レストランのオーナー(個人的には一番スカッとする)のシーンも静かに恐ろしい。
ジャンルで言うなら、サスペンススリラーといった感じだろうか。後味は決して良くない作品だ。
SNSにアップするために必死でカメラを撮る人やインスタ映えを狙って飛びつくインスタグラマー。金に物を言わせる成金たち。料理を何も分かっていないグルメ通…。
いるいる、こういった人たち。
富裕層の行き着く先は極上のグルメだとよく言うが、果たして料理の本質を知っている者はどれほどいるのだろうか。
本作に共感するとともに、スカッとした気持ちを覚えるのは、自分がラーメン、ハンバーガーなどのB級グルメや大衆居酒屋を好むような紛れもない庶民だからだろう。
(もちろん、高級お料理も大好きだけどね😉)
だけど最後の晩餐に食べるなら、やっぱりご飯とお味噌汁かな。
料理人たちにも是非見てもらいたい作品だ。
今晩は。
レビューからは敢えて削除しましたが、私は京都に行きつけの小料理屋が幾つかあります。コロナ禍前に、ある国から爆買いの人々が祇園の各店に押し掛けたことが有りました。店の主人に”これから、どんどん増えるんですかね・・。”と言った際に、御主人が言った言葉は
【あの人たちは、祇園で料理を食べたという事実を求めて居るだけで、二度と来ませんよ・・。】というモノで、とても良く覚えています。
私は美食を否定はしませんが、(というか、好き。けれど、コース料理は絶対に頼みません。)わざわざ料理が供された時に写真を撮ったりすることはしません。(別の店では、”写真を撮る前に、熱々を食べて欲しいのですがね・・、と苦笑いをする御主人もいました。)
私は外食は殆どしませんが(家人が、毎夕食に、そこら辺の小料理屋よりもよほど美味い料理を作ってくれるんです・・。)、京都では独り静に杯を傾けながら、美味いつまみを食べる時は、映画でとても良い作品に出会った時以上に、幸せな気持ちになるんですよ。
あ、返信は不要ですよ。(今日は、良い夫婦の日ですしね。)では。