「さて、本日頂くのは〈命〉です」ザ・メニュー サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
さて、本日頂くのは〈命〉です
料理映画が続いていますね。大変結構。
「ラストナイト・イン・ソーホー」から大ファンのアニャ・テイラー=ジョイの最新作。主演は「キングスマン ファーストエージェント」のレイフ・ファインズってことで、予告も質高そげだし、期待値上がります。正直、もうちょい欲しかったなぁって気はするけど、めっちゃ面白かったです笑
料理映画と言えど、「土を喰らう十二ヶ月」とはまるで違う。料理がテーマだけど、中身はかつてないサスペンス。もう、緊張感がとんでもないのです。常に心臓バクバク、中盤あたりのとあるシーンなんて飛び出そうなくらいに。この緊迫感が故に、作品の見応えも非常に高いです。飽きさせない、すごく上手い作り。「ザ・メニュー」という名に相応しい、美しい作品構成でした。
やはり、今回の目玉はアニャ・テイラー=ジョイ。
ソーホーでもそうでしたけど、この人のオーラって凄まじい。心の醜い悪の部分が顕になる時の、顔と目と漂う雰囲気が恐ろしくて仕方ない。彼女にしか出せない独特な演技にトリコ。おかげで、世界観への没入度合いがグンと上がっています。役柄にも合っているし、本当に最高の女優。ナイスキャスティング。サスペンスがお似合いでございます。
レイフ・ファインズの不気味さも絶妙で、顔の動きだとか話し方だとかに謎の魅力を感じてしまい、信じられないほど引き込まれる。そんな引き込まれた先に立ちはだかるストーリー展開が、不意に殴られたような気分になるほど、衝撃的。ちょっと期待値を上げすぎていたためか、もっと踏み込んでやり過ぎても良かったのではと思ったけど、この見たい人にしか分からない不思議な感覚が、気持ち悪くも気持ちよくもあって、気分は上々。今年一の、ポップコーンムービーです。
テーマ設定、ストーリー、社会風刺、全てが肉厚。1つの映画でいっぱい考えてしまいそう。おなかいっぱいにはなるにはもう2.3要素足して欲しかったなとは思うんだけど、見事な終幕と秀逸な演出が超鳥肌モノ。テンポの良さと潔さがもう、たまらない。世間の評判や作り手の雰囲気に騙され、まんまと罠に引っかかる人々。金だけ持って、自分の価値をあげるがためにのこのことやってきた人々。もう、社会風刺が過ぎます。
正直、もっとグロかったり、迫力があったり、印象深いシーンがあって欲しかったのだけど、とにかく癖になる素晴らしいサスペンスホラーでした。これこそ、世間のウケはあまり良くないだろうね笑 でも、私は大好き。アニャ・テイラー=ジョイ、サスペンス女優としての活躍、今後も期待してます。
すごーく期待してた訳ではなかったのではまりました!ファインズ適役!少し悲しげな顔、少し嬉しそうな顔。最高の俳優なんだと改めてわかりました。アニャ、いいですねー、ほぼ追っかけです