ザ・メニューのレビュー・感想・評価
全276件中、1~20件目を表示
意識高いシェフが意識高い「系」クソ客の意識を他界へ送る
お料理美味しそう、からのギャアア!を行ったり来たりするのが忙しい(褒め言葉)映画。最初から悪いことが起こる予感しかしないのに、章立て代わりのメニュー紹介が進むと、次の趣向を見たくなってしまう。
不穏なレイフ•ファインズがとてもいい。因縁の客たちと母親の計12人を招いた破滅的な最後の晩餐に部下たちが付き従う、信仰に近い彼のカリスマ性に説得力をもたらしていた。
スローヴィクは、招いた客それぞれに恨み(料理の真価が分からないのに不遜な態度を取られたり貶めるような記事を書かれたりしたのかも知れない)があって凝った復讐をしたのは分かるが、何故自らもスタッフまで巻き込んで死を選んだのだろう。
あれだけの人数のセレブリティを殺せば隠しおおせるはずがなく、逮捕されることでシェフを続けられなくなるという現実的な事情は当然ある。
ただ、彼から溢れるシェフとしての矜持を見ていると、完璧な芸術と自負する自らの料理を理解出来る、腕を振るう甲斐のある顧客がこの世に存在しないという絶望が大きかったのではないかと思えてくる。
予約の取れない高級店で食べたというステータス目的の成金セレブ、シェフの出世もレビュー次第と考える不遜な評論家、食べたものを分かってない覚えてない客……あー実際いそう、こういう人たち。とか言ってる私も多分あの場で指ツメられそうな味覚レベルですが(汗)。
タイラーは口先だけの美食家だが、スローヴィクに盲目的に心酔していて、自分を含め全員が死ぬディナーと分かってもそれもまた芸術と理解を示した(私は全く理解出来ないが)から呼ばれた、ということだろうか。
だが結局は、自分では何も作り出せないことがバレて(というより最初から見透かされていた?)、他の客と同じ侮蔑の対象として死ぬことになった。
スタッフが死んでも他の客の指が飛んでも意に介さずモグモグしている彼を見て、不気味な反面ちょっと笑ってしまった。
最後の人間焼きマシュマロも、恐ろしいのにどこか隠し味のようなコミカルさがあった。
マーゴはシェフの部屋で気づいた彼の経歴を踏まえたオーダーをした。その態度は、あの場の他の客と違いあくまでフェアだった。だから助かったのだろう。
金さえ払えばお客様は神様だ、どう食べようが客の勝手だ、ではなく、芸術家や職人が技を尽くすことに対して客側も真摯であれ、対等であれということか。
ネットお勧めのお店に行って、評判通り美味しいねと、食事が情報確認の作業に陥ること。素人評論家がネットに跋扈し、言いがかりすれすれの辛口批評が時にバズってしまうこと。本作は現実のそんな風潮に対しても、創造する苦しみと厳しさを負う視点から辛辣なカウンターパンチを浴びせているように見えた。
私は、食べるのではなく味わうということをしているだろうか?とりあえず、本格ハンバーガーを味わってみたくなった。
説得力はさておき、ギミックと勢いだけでもかなり面白い。
劇中のレストランの客たちと同様に、とにかく何が起きてるのかが把握できないまま事態がどんどん進んでいく。意外性で興味や集中力を繋いでいくやり方は過去にもたくさん試みられてきたと思うが、有無を言わさず珍事に巻き込んでいくやり口に頭が下がる。
しかし真意が途中で明かされてしまうと、あまりにも込み入った計画に値するほどのターゲットたちだろうか?という疑問は湧いてくる。ギミックだけで十分に面白いが、作品としてもうちょっとやれるだろうと思ってしまうのは、説得力よりもオモシロが勝ってしまっているせいかも知れない。
とはいえこの映画のオモシロさは否定のしようがなく、クライマックスでアニャ・テイラー・ジョイが繰り出す渾身のトンチや、すっかりカルトに取り込まれてしまったみなさんがチョコレートの帽子を被ってるビジュアルの強烈な可愛らしさなどなど、「よくぞ思いついてくれた!」と拍手したいアイデアの宝庫でした。
食通ブームを冷めた目で見ている人にオススメ
グルメ映画には全ての人の舌を刺激し、料理にまつわる人間観察が面白い作品が多い。そこに登場した本作は、孤島のレストランに閉じ込められた食通たちが、何やら腹にイチモツありそうなカリスマシェフが料理に込めた復讐の餌食になるという、食通ブームを冷めた目で見ている人にはオススメの1作だ。
何しろ標的になるのが、その一言で料理人とレストランの運命を左右することもある料理評論家、金にモノを言わせて高級料理を貪るIT長者、料理番組のリポーターとして再起をかける落ち目の俳優、そして、料理の本質が分かっていない(恐らく)自称・食通たち。主人公のシェフが彼らに対して何を感じているかは想像に難くないし、復讐したくなる気持ちは理解できるのだ。
ブームの洗礼を受けてからやや時間が経過している我々日本人から見ると、若干既視感がある風景だが、それを吹き飛ばしてくれるのが、アニャ・テイラー=ジョイ演じる唯一何の柵もない招かれざる客のマーゴが放つ痛快な一言だ。それは、監督が実地で体験したという、大皿に泡が乗っかっているようなニュー・ノルディック・キュイジーヌに向けて放たれる。この場面で『そうそう、そうなんだよ』と心の中で叫んだのは筆者だけではないだろう。今まさにサバイバルの時代に空腹を満たしてくれるのは、気取った極小料理ではなく、腹にドカンと来るWチーズバーガー!!じゃないだろうか?
料理を美しく美味しそうに見せてくれる。「R15+」にご留意
レストランを舞台にした最近の映画では、7月公開の「ボイリング・ポイント 沸騰」があったが、調理、盛り付け、実食のいずれでも観客の食欲をそそるおいしそうなショットが不足していたのが惜しかった。その点、この「ザ・メニュー」は期待以上。アートのように盛り付けられたコース料理の数々の美しさにうっとりする。終盤で登場する意外な逸品にも、もちろん食欲を大いにそそられた。
富裕層やセレブが船に乗って訪れた孤島のレストラン。ここで調理や給仕を行う従業員らは軍隊か宗教団体のような雰囲気のなか、カリスマシェフのスローヴィク(レイフ・ファインズ)に絶対服従し、統率された行動でも客らを驚かせる。その先の展開は伏せておくが、R15+指定の映画ということだけは事前に留意しておく方がいいだろう。上品なレストランではまず起こりえない、過激な何かが映像として提示されるということだ。
いけ好かない上流の客たちの中、間違ってたまたま来てしまった庶民代表?のマーゴと、この閉ざされた世界の頂点に立つスローヴィクとの関係性の変化が見所の一つ。マーゴを演じるアニヤ・テイラー=ジョイは、その目力を活かせる意志の強いキャラクターがよく似合う。ニコラス・ホルトの役のヘタレっぷりとも良いコントラストだ。
Michelin Star Genre-Bender
Thanks to Deming's photography, Menu is alluring one-room thriller, a hint of Fincher's Panic Room with an adult Willy Wonka's game of judgment in the realm of fine dining. The descent into murderous chaos is nearly an eye-rolling cliche, but Fiennes might be one of the greatest villain actors after James Earl Jones' voice. It could be a self-proclaimed masterpiece for producer Will Ferrell.
非日常体験
孤島の高級レストランというユニークなシチュエーションで出てくる、
創作フレンチのような美しい料理が素敵でした。
エピソードの切り替わりのようなタイミングで、フルコースメニューを一品一品紹介するカットが、グルメ映画みたいで面白い。
これだけで高級レストランに足を踏み入れたような楽しみがあります。
シナリオは、進んでいくにつれて各人物の裏の顔・悪い素性が明かされていき、どんどん不穏になっていきます。
1周目ではよくわからない部分も多いけど、2周目を見たり、解説を読んだりすると、巧妙な設定で作られていたんだと脚本の厚みに再び驚かされます。
一言で言えば、密室の高級レストラン×狂気サスペンス。
面白いです。
全員…さいごの晩餐?
…怖~い話だとは知らず驚いた
有名レストランで有名シェフ
イコール美味しい料理がたべられる
と思ってきたものの…
…たべたら終わりの世界
離島なので逃げることもできない
夢であって欲しい…思うけど
現実にあったらテロに合う
くらいの怖さ!
シェフには
…理不尽で腹立つけど
シェフに逆らったアニヤが
一抹の救いがあった
だけど
セッションと同じように
胸○○悪いから★は少なめです
何だかんだ
・・引き込まれた感
チーズハンバーガーがよかった。
いかれた、いけてるメニュー
自分や仲間の人生を、大なり小なり、駄目にした人達を
おもてなしして、殺してしまうのは、かなりイかれてる。
ちゃんと、お会計までするあたりも、ちゃんとしてる。
みんな、財布ごと、投げてたけど、そりゃそうだよね。
そして、チーズバーガーが食べたくなる映画。
んー惜しいなぁ
逆恨みシェフが身勝手な理由で恨みある金持ちを集めてって話
最初は意図が読めず、徐々に不気味になるシェフとメニューが相まってすごく引き込まれました。
アニャがまた綺麗でね素敵だしそれだけでも見てて楽しいんよね
内容としては深いように見えて思ったよりもしょうもなくて引っ張るだけ引っ張ってその着地点かぁとガッカリ
他のシェフもなんで?って忠誠心ありすぎて疑問だし
そこまであのシェフに心酔する理由あるの?
色々クエスチョンマークはあったがそれなりには楽しめました
登場人物が多い割に客とシェフのバックボーンの描写が少なく感情移入できない
設定とか雰囲気は良いんだけど、いまいち何が言いたいか分からない作品だった。ホラーにしても客を惨殺するわけでもなく中途半端な印象。庶民と富裕層の食がテーマ?
登場人物が多い割に、客とシェフのバックボーンの描写が少なく誰にも感情移入できない。シェフはただのサイコ野郎にしか見えなかった。
テーブルとテーブルで別の組に会話がスムーズに切り替わるのはテンポ良かった。
オシャレな料理とか、高級料理の訳わからんちびちびした料理好きじゃないから、どれも美味そうに見えなかった。
パンの無いパン料理が予想外で笑った。ソースの方を食うとか発想が斬新すぎる。私だったら嫌だなー、さすがにパン屋ではパンを食べたい笑
テイクアウトで決着つける良かった。結局私の舌も庶民なんで、最後のチーズバーガーみたいな分かりやすいガッつける食い物の方が好き。久々にマックで食うかな。
殺人レストラン
美食家とその彼女が孤島の高級レストランに食事に行く物語、なんでも一人1,250ドル(18万5千円)というからどんな料理が出てくるかお楽しみ、ところが途中から話が怪しくなってくる、スタッフが突然自殺、やくざじゃあるまいに客が料理人に指を切られたり、訳が分からない展開、そうか、これはグルメを狙った殺人レストランのホラー映画でしたか・・。
荒唐無稽過ぎて何が何やら、こんなホラーをまさかディズニーが創るなんて唖然茫然、恐れ入りました。
アイデアが生煮えで美味しくない
B級シチュエーション・スリラー。ミッドサマーのレストラン版みたいなストーリーだが、あちらと違ってこっちは全然怖くない。演出が下手すぎるので…
面白そうな設定なのに全然活かしきれておらず、残念。とにかく、アニャテイラージョイの無駄遣い。なんでこんな企画受けたんだろう。
面白い
高級レストランに行った時に、ある種の居心地の悪さを感じたことが誰でも一度はあると思う。
何この気取った店構え?何この少ない量の料理?何あの偉そうなシェフ?なんか料理の説明がメチャ長いんですけど?
その不快感を究極のブラックユーモアで表現した、ホラー?サスペンス?映画。めちゃくちゃ面白かった。
こんなレストランありえへんやろ!等のツッコミはさておき、1つ1つの展開(メニュー)がいちいち不穏でゾクゾクする。そして悔しいけど美味しそうなんだよな。ニコラスホルトの語りがいちいち耳障りで、そうそうこういうヤツ嫌われるんだよなポジションが良い味出してる。結局メニューをひと口も食べなかったマーゴの、最後の機転の利かせ方も良かったな。
命をかけたコースメニュー
なかなか、変わった映画だった。ホラーというよりカルト的な映画かな。
お客様は神様を逆手に取り、レストラン側が常に主導していく。最高だが最悪のコースメニューを完成させるために。一つ一つの料理毎に、何かがあるのかも面白い。料理紹介もいちいち面白い!
完璧だったはずなのに、そこに混じってしまった予定外の1人の女性。唯一まともで、結局1番食を分かっていたんだなぁ。
ただ、シェフはなぜ彼女を1人で向かわせたのが少し分からなかった。そこだけは疑問。彼女だけが生き残る結末を作るため無理やりこぎつけた感あり。そこが残念かなぁ。
そして、やはりアニヤが美しい。あの客の中では1番上品だし、そんな職業と思えないオーラが。まさにスターのような美しさなので、この映画の配役とあってたかなとは思う。ま、でもアニヤに見惚れるのも含めて、面白い作品でした。
全276件中、1~20件目を表示