カラオケ行こ!のレビュー・感想・評価
全127件中、1~20件目を表示
作品後半の二人の関係性が素晴らしかった。
◯作品全体
前半は正直なところ退屈だった。一番の歌声だったからという理由はあれど中学生に声をかけ一緒にカラオケボックスに行くヤクザ、という冒頭がまず突拍子もなさすぎる。カラオケボックスまで行っておいて中途半端な仕草で帰ろうとする聡実の行動もおかしい。正義のヤクザ像を振りかざしそうだなという個人的な憶測も作品から一歩引いて見てしまう理由でもあった。
ただ、中盤で聡実が狂児へ「カラオケ、行こ」と伝えるところから少しずつ余計なものが削ぎ落とされて、「二人の一風変わった信頼関係」という作品の長所が一気に出てきた。
まず、中学生とヤクザという設定を巧く使っているなと感じた。理知的だけど自身の声変わりにどう向き合っていいかわからず、思春期特有の反抗期の素振りを見せる聡実。でも根は素直で、狂児からの優しい声かけを斜に構えながらも受け止める。中学生という設定と聡実という登場人物の魅力がきちんと掛け合わされているような気がした。
狂児の描き方は特に良かった。不器用だけど一途とか、見た目怖いけど優しいとか、よく見るヤクザキャラクターとは少し違っていて、純粋で芯の通ったキャラクターになっていた。ドスを効かせるヤクザじゃなくて、何考えているかわからないから怖いヤクザ…みたいな風貌だけれど、聡実に嘘をつかない。作中で成長したり、変化がある人物ではないけれど、いろんな表情を見てみたくなるキャラクターだった。
合唱部のトラブルを女関係のトラブルと勘違いした狂児のくだりは、ありきたりな仲違いだと思ったけど、狂児のフォローの仕方に優しさが溢れていて素晴らしいシーンだった。
終盤、狂児が襲われて死んでしまったと臭わせるところは、まあ間違いなく死んでないんだろうなと思ったけど、狂児が現れたときに二人がどういう表情をするのだろうという部分で「どうなってしまうんだろう」という期待感が楽しかった。そしてそれに応える「紅」と二人の再会。
「聡実」と掘られたタトゥーと二人の再開を予期するラストシーンも含めて、とにかく二人の関係性の描き方が素晴らしかった。
◯カメラワークとか
・聡実の家での夕食シーン。食卓を横位置で映して、すでに着座している両親を上手に映す。下手の聡実の席は手前の襖で見えなくなっていて、その襖を開けることで聡実の席が映り、画角も広がる。演出意図としてはそこまで深いものじゃなかったけど、使い方によってはかなり印象に残る演出になるなあ。
◯その他
・合唱部の後輩ソプラノ・和田がいいキャラしてた。聡実を追い込むような立ち位置なのに聡実を尊敬している人物でもある。狂児もそうだけど、聡実を取り巻く人物に嫌味がないのが魅力なんだろうな。
齋藤潤のみずみずしさと名曲「紅」のポテンシャルを堪能する
突飛な設定ととぼけた面白さ、そこに変声期の少年の繊細な心理描写が同居することで独特のテイストが生まれている本作。
クレジットのトップは綾野剛だが、実質的には岡聡実役の齋藤潤が主役という印象。実際、公式サイトにあるインタビューで山下監督も「『カラオケ行こ!』は聡実くんの映画だから、齋藤潤を立てていこう」と綾野剛と話した、と述べている。聡実の等身大の中学生感が、とにかく愛らしい。
齋藤潤は、「正欲」で磯村勇斗が演じた佳道の中学生時代を演じて、短い出演ながら佳道の過去を強く印象付けた。また、現在NHKBSで放送中の篠田節子の小説を原作としたドラマ「仮想儀礼」(これむっちゃ面白いです)では、主人公にとってのキーマンとなる少年を演じている。重い背景を背負った中学生の不安定さや危うさがひしひしと伝わってくる好演だ。
最近私がたまたま目にした彼のそうした役柄と本作の聡実は、全く違うキャラクターだが、現実にいそうな中学生としてのリアリティとみずみずしさにあふれている点は共通している。決して天才子役と言われる類の技巧が目に付く演技ではないのだが、ナチュラルな雰囲気をまとったまま演じ分け出来るのは結構すごいことなのではないだろうか。
物語は比較的原作(映画を観た後原作を読みました)に忠実だが、カラオケ歌唱の場面を実際の歌と動きで表現できるのは実写ならでは。漫画で読んで想像を膨らませることもまた楽しいが、「紅」を繰り返し熱唱する綾野剛の振り切り具合には笑ってしまった。
いくつかあった映画オリジナルの場面は、そこはかとない無常感があってちょっと感傷的な気分にさせる描写が多い。「映画を見る部」の巻き戻せないビデオデッキ、再開発で取り壊される「ミナミ銀座」(ちなみに「ミナミ銀座」は大阪市には実在せず、撮影は山梨県甲府市の南銀座で行われている)。変声期の青春も一度きり。
中盤以降でぽつぽつと織り込まれるそんな空気感と、前半ののほほんとした展開とは対照的に唐突とも言える狂児との別れという展開。聡実の心情にシンクロする「紅」の歌詞……。そういう映画を見にきたつもりはなかったのにちょっとほろりと来そうになった。北村一輝に騙された(笑)
「紅」は狂児に裏声で歌われるとコミカルになり、クライマックスで聡実が絶唱すると彼の心を映したかのように歌詞が切なく響く。エンドロールに流れるリトグリ&合唱アレンジも意外なほど馴染む。こうして聴いてみると、なかなか懐の深い名曲だ。
綾野剛の色気がすごい
野木亜紀子さんを巡る旅をしてて、こちらも見ました。面白かったです。
綾野剛の色気がすごい。見終わった後悶えました。こんな色気魔人に恋しない人いるの?そらカラオケついて行ってまうよな。
あの身長差であの近さ破壊力すごいわ、、あんなんキスとかするよりだいぶやらしいよね。
傘のシーンとか聡実くんを救うとことか屋上のとことかカラオケ大会のとことか繰り返し繰り返し見てしまう。トキメキで胸が苦しい。
さすがに中学生は犯罪ど真ん中やし、心配になったけど、3〜4年くらい聡実くんの青春つぶさずに月日空けたコンプライアンス狂児さんほんまありがとう、、頭が下がります。
エンドロールのワンカットでその月日の経過をあの建物が建ってることですぐに視聴者に分からせるのさすがだし、まんじゅうこわいの伏線回収も綺麗だし、好きなもの聡実!!!だし、ワンカットで情報多くてほんま悶えました。
原作未読でしたが、原作者の方は好きで何冊か著書読んだことあります。
出てくる同級生達が面白くて、和山作品の雰囲気うまく出せてるなぁと感心しながら見てたら、原作の方では出てこないのね!?映画の後から原作読んでそこが1番衝撃でした。
あの副部長の子とか映画研究部?の部長の子とかめっちゃそれっぽかったのに、、特に副部長の子が懐大きすぎて好きすぎる。後輩の子もキャラ立ちしてて面白すぎました。結局尊敬してんのかい!ワカルヨ!
この辺りの上手さが、野木亜紀子さんが実写化作品の評価が高い理由なんでしょうね。
原作読んだあとになると、聡実くんもうちょい部活出ようよともなるけど、後輩の子をあそこまでの覚悟に持っていく為には必要な事だったのかもしれませんね。副部長に「いける?」って言われたときの返事がカッコよすぎた。主人公のそれやったわ。
しばらく綾野剛を巡る旅してきます。
面白かった。嫌なことがあった日に、何回でも見れて、笑えて元気になる作品。
漫画が原作だそうですが、面白かった!
綾野剛さんのヤクザ、久しぶりに見た気がします。
でも、綾野さん、いい人生を送っていらっしゃるのか今回の役どころのせいなのか、
ヤクザなのに怖くない…。まあ、いいか、カラオケの話だし♪
中学の合唱部の部長でボーイソプラノの岡君が、むちゃくちゃ可愛い~!
もうすぐ「男」になってしまう直前の変声期前の男の子って、変声期が終わったら、「常に七人の敵がいる」とかいう男の世界の序列に否が応でも入ってしまうのだろうし、素直にまっすぐ育った少年岡君が愛おしくてたまりません。
綾野さん演じるヤクザ成田狂児は40代くらいでしょうか。岡君のお父さんの年代の人だと思いますが、しかもバイオレンス上等のヤクザ、いわば「男の中の男」。親子のような年齢差の岡君と狂児の関係が、岡君が歌の師匠、狂児が弟子という、ヤクザは師匠をむちゃくちゃ大切にして、しかも子供だし、岡君むちゃくちゃ素直で可愛いし、最高!
綾野さんのヤクザが、あまり怖くなくて、子供と一緒にいるからなんでしょうけれども、もしかしたら、やっぱりヤクザだし、怖いのかもしれないなあ、という匂わせも、ところどころあって、それがブラックジョーク的にスパイスが効いていて、でも安心して笑えます。
よくできてる映画でした。
面白かった~♪♪
嫌なことがあった日に、何回でも何回でも繰り返し、見れます。
また、見たい!!
コミカルヤクザ
実は優しいヤクザとの、青春カラオケコメディー
ソプラノパートの合唱部部長の中学生。声変わりで歌えなくなってしまうこと、声が汚くなってしまうことへのゆらぎの時期に現れた、ヤクザ。
街だって汚いよ、人間綺麗すぎなくて良いんだと言わんばかりのほんわかヤクザ。
紅を軸にカラオケパートは進む
良い曲
総じて漫画みたいな設定だと思っていたら漫画原作だったよう。
美化されすぎたヤクザは余り好きじゃない。
可愛らしい友情
最近ハマっている綾野剛さんの演技が見たくて鑑賞しました。
原作を見たことはありませんでしたが、2時間だけでも面白い世界観にどっぷり浸れてとても楽しめました。
中学生とヤクザの友情という、ほとんどありえない、けど妙にリアリティのある心模様が描かれていて、中学時代に誰しも経験したことがあるであろう部活での不和や身体の変化とそれに伴う環境の変化などなど…を思い起こして胸がきゅっとなりました。ヤクザの友達が居た記憶はないですが(笑)
ヤクザが中学生たちの関係性にすっと馴染んでいるのも面白かったですね。「あれ岡くんの知り合いだよね?」みたいな…。いやいや、こんな黒塗りの車が頻繁に校舎の前に停ってたらやばいでしょ、と突っ込みつつ楽しみました。
綾野剛さんの演技が見たくて鑑賞しましたが、岡くん始めとした合唱部の子たちもみずみずしく可愛らしい演技で、見てよかったなあと思わされました。
岡くん、紅(X JAPAN)上手。
テンポよいストーリー
ソプラノをキレイに歌えない
そりゃあ、成長期だから仕方ないよね。
部長として、今までのプライドもあって
キレイに歌わなきゃって
がんじがらめになってる様がよかった。
演技も可愛かった!
特に後輩くん。全然内容が入ってこない笑
ソロモンの偽証を思い出したよ笑
これからに期待大!
紅を声変わりの男の子が熱唱。
発表会をやり切って欲しかった気持ちもあるんだけど
そしたら、紅を聞くことができなかったわけで。
中学生男子とヤクザが
カラオケ行こ!ってお互いに誘いあったところ好き。
セトウツミのように淡々と会話が進んでいくところも好き。
カラオケを通して、友情が育まれる様は
現実離れしてるけれど、現実から離れすぎない絶妙さがあったように思う。
期待以上
ずっと観たいと思っててやっと観れました。
体感30分(笑)
個人的に本当に面白かった。
あと綾野剛がとにかくかっこいい!!!
途中、本当に狂児が死んだと思って、そしたらトイレの前で紅聞いててウルっとなりました
大人になった二人がまだカラオケ行ってるのもとても良かった👏🏽
私も綾野剛に『カラオケ行こ』って言われてみたい(笑)
アウトレイジなカラオケ大会
単純に面白い。
今のご時世、アウトレイジな人と中学生の友情?って大丈夫なん?とも思ったけど、コメディだし。
そういえば、綾野剛ってバンドやってたなぁと(聴いた事ないけど)
Netflixは綾野剛だらけ。
長文考察ですいません💦
こんなにハマった映画は初めて。配信エンドレスで見てます。ぼっち推し活です。誰かと語りあいたいストレスで、つい長文になってしまいました。
表テーマは変声期を迎えた合唱部部長・聡美の悩みだけど、裏テーマは義父を愛そうとする聡美の再生物語。
合唱部の絶対エースの聡美は部長として自信を持って大会3連覇を目指していたが、予想外の銅賞で全国を逃してしまう。
桃ちゃん先生は「愛がほんの少し足りなかった。歌は愛」と合唱指導歴ゼロながら笑顔で力説。「お花畑」と笑う部員の中、心当たりがある聡美は一人俯くのだった。
聡美は2年前に出来た心優しい義父をどうしても愛せないでいたからだ。
「もっさりとしたおっさんのどこが好きなん。僕の死んだお父さん恰好良かったやん」(心の声、推測)
ヤクザには「カスです」と言えるのに、家庭崩壊が怖くて普段義父に猫撫で声を出し、常に神経を使っている日々。義父がくれた趣味の悪い傘もイヤとは言えない。いつも明るい気丈な母に、本当は義父を嫌っていることを絶対バレたくない。合唱祭が終わっても「毎日練習がある」と嘘を付き、義父のいる家に帰りたがらない。
小さな嘘を重ねる罪悪感と日常が破綻するかもしれない緊張感。いつしか聡美の顔から笑顔が消えていった。
この行き詰まった状況を打破したい。
いつも前途に立ち塞がる「愛」って何?
「愛」を探す聡美に、「和子の思い出が詰まってる」と大人の愛を呟く狂児が眩しく映る。銀幕の「君の瞳に乾杯」は美男美女過ぎて、なんだか嘘臭い。そんな中、映画を見る部の部長栗山君が呟く。
「愛」とは何か与えるものらしい。
鮭の皮のシーンで聡美が長尺で驚いたのは、鮭皮を渡す夫婦の阿吽の呼吸を見て、初めて両親がお似合いの夫婦だと感じたから。本当に愛しあっているんだとリアルに思ったから。
屋上のシーンで、狂児に合唱祭で歌が上手く歌えないと告白すると「綺麗なもんしかあかんかったら、この街ごと全滅や」と明るく答えてくれた。いつも実父と比べて義父のことを嫌っていた自分が間違っていたと気付いた。外見なんて関係ない。ありのままの義父を愛そうと心から思った。
合唱部の大会の前夜、ファンシーなお守りをくれた義父に「こんなんどこで買ったん?」狂児と話すような不機嫌そうな声をつい出してしまった。まるで気にしない義父に新しい家族の関係を感じた。
思春期の男子は恥ずかしい傘は絶対使わないもの。「お父さんがくれたから仕方なく使ってる」というから形見の品?と思ったら父がいる。鶴の傘を手にした母と、その後ろで聡美の反応を過剰に伺う嬉しそうな父の顔。聡美の様子も明らかにおかしい。狂児に注意された肘も、両親との食事風景は緊張して肘はついていない。
義理の父なんだなと分かる。
いつ再婚したのか?
聡美が映画を見る部の幽霊部員になったのが2年前。天本先生が認めてくれた生徒しか幽霊部員になれない。聡美は映画に興味なさそう。息抜きの為の場所として好きなだけ。美術の準備室を間借りした映画を見る部は、心に不安がある生徒の居場所で、カウンセリングルーム的な意味があるのだろう。だから学校は天本先生が居なくなった後も、幽霊部員と部長が全員卒業するまで2年間廃部を待ってくれていた。
ちなみに天本先生は死んでいない。ごく普通の定年退職。(DVDではなくビデオテープだから、嘱託のおじいちゃん先生)
狂児の「悲しい顔して、和子の思い出やねん。と言うと大抵のこと上手くゆく。覚えてきいや〜」を聡美が実践しただけ。「亡くなった」と言った後、栗山君も意味深にチラと聡美を見ている。聡美が全財産を持ってビデオデッキを買いに行ったのも、自分の嘘で和田が思った以上に落ち込んでいることと恩師を勝手に殺した罪悪感から。
実父とは死別なのは、食卓シーンで義父の真正面目に仏壇が置いてある。瑞々しい赤と白の小菊が飾られ、蜜柑が供えてある様子から、母は亡くなった夫を蔑ろにしていないし、義父もその気持ちを大切している。再婚相手として百点満点。ルックス以外の欠点はない。
実父と死別したのはおそらく聡美が小学1〜2年の頃。(母と聡美の性格からの憶測)
「死」(ハイエナの兄貴と和子)と「愛」(和子)の話題の時、聡美は斜に構えることなく、真摯な子供のような瞳をしている。愛は良く分からないが、死だけはリアルに知っている。聡美にとって、泣き崩れる母の姿が「死」であり「愛」なのかもしれない。
聡美のスマホの待ち受けは、聡美が賞状を持って大きく口を開けて天真爛漫に笑っている。優勝したのは1年と2年の夏。天本先生が聡美と会う必要があるから、1年の夏以降に母が再婚したと考えられる。
聡美が真正面から大きく口開けて笑うシーンは待ち受け画面以外ワンカットもない。卒業の日、合唱部の集合写真で聡美は意識して笑う。まだ大きく口を開けられず微笑む聡美に、隣で和田がちょっと嬉しそう。
一緒に写真を撮りたいという和田に、聡美は執拗にベタベタとボディタッチしている。カラオケ大会で狂児に肩を抱かれて嬉しかったことを、和田で実践してみたのだろう。影の部長中川でさえ手を焼いていた和田も、聡美のボディタッチ攻撃に懐柔されてメロメロだ。聡美、これからどういう高校生活を送る気?いつか痛い目に遭いそうで心配。
小ネタ①聡美の部屋、よく見ると趣味が悪い。
サンプル寿司の時計とかたこ焼きのぬいぐるみとか青いブタの貯金箱とか小学生趣味でごちゃごちゃしている。案外、亀傘も中川に笑われるまで悪趣味と気が付かなかった?小学生の頃に実父が亡くなった事で、部屋があの日のままでフリーズしている。実父との思い出を大切にし過ぎて日常を変化させたくないのかも。
小ネタ②聡美はヤクザからジュースをやたら勧められる。
愛は与えるもの。大人が中学生に受け取ってもらえるのは冷えたジュースだけ。映画を見る部の冷蔵庫に「部員しか使用できない」と注意書きが貼られていた。天本先生は冷えたジュースで、幽霊部員を獲得していった?
小ネタ③桃ちゃん先生は合唱指導歴ゼロ
多分音大のピアノ科卒。産休育休のベテラン指導者木村先生の代わりの音楽の非常勤講師。合唱部の為にピアノを弾けることが最優先で採用。合唱指導は未経験なのは、大阪弁なのに合唱コンクール大阪大会の建物構造を全く知らないこと。合唱部員は木村先生のような指導力がないことは充分承知している。「愛やで愛」でゴリ押しする桃ちゃんに、部員は「お花畑や〜」と忖度して笑っている。これは中川の指導の賜物。中川が恐れているのはナイーブな聡美に和田が無神経に問い詰めて傷付けること。恋愛ではなく友情。連続優勝出来たのは聡美のおかげ。不調の今こそ力になって助けたいとメラメラしている。尊い。
小ネタ④なぜ母は聡美の変化に気づかない?
嘘を付き続けたせいで自業自得。とはいえ、亀柄の傘を「嬉しそうに使ってたじゃない?」は聡美も心外だろう。でも、家族といる聡美。合唱部の聡美。狂児といる聡美。聡美自身が使い分けている。母にとっては小学生の頃と変わらない甘え坊で心優しい男の子。聡美も母の前では無意識に素直な子供に変化している。本当に素の聡美は狂児といる時なのかも。食事中、肘を付いてるのもリラックスして心を開いている証。肘をわざと直さないのも、心を開いていることを狂児に分かって欲しいから。
小ネタ⑤公務員ファミリー
原作で家族が公務員だから将来公務員になりたいと聡美。いつも作業姿の義父は土木科?おそらく母も公務員。聡美が小学生の時描いたハザードマップがリビングの壁に今でも貼ってある。実父は義父と同僚で、実父の死因は自然災害時の事故なのかもしれない。食卓の目の前に元ダンナの仏壇って結構キツい。さすがに無神経過ぎる。でも可能にしたのは、大切な大好きな部下の仏壇なら亡くなってもいつも傍にいるよ気分?あの義父ならそう思いそう。良い人過ぎる。
小ネタ⑥名前
「聡美くんは聡い果実やからな大丈夫や」
ずっとキリスト教ワードが散りばめられている中、解釈すると「小賢しい罪を重ねている」的な。聡美はスラスラ嘘を付く。息をするように自然な嘘。その嘘がバレるのは狂児だけ。狂児から責められると、つい動揺して狂児の要求を飲んでしまう。カラオケ指導を引き受けるのもそのせい。嘘を付くと後から何倍にもなって返ってくると体現している聡美。
タイトルなし(ネタバレ)
激・ブラック(裏社会)・コメディー映画で、初っ端から完全コメディー色全開。
前半はずっと《そんな馬鹿な展開》だったがラスト30分位からは?!
とにかく中学生の岡聡実キャラが良い。
この映画も今『ラストマイル』で話題で「アンナチュラル」「MIU404」の野木亜紀子が脚本を手がける。
・「VHSデッキは買ってもらうなっ!」
自分で払うべきと思った。
・学生時代「あの部活の幽霊部員になりたい」と思った。
♪「紅」 / Little Glee Monster
心の結びつき
大阪やった、🎤
なんで合唱大会会場にヤクザおるねん?て思てたら
よろしく、って、ブラック企業にお勤めの方、
歌教えてくれへん?って、なんでや?
職場でカラオケ大会する予定で、
社長の機嫌損ねたら大変なんや。
キティちゃん事件いうのがありまして‥‥(注:1)参照
綾野剛、歌上手い。演技上、下手に歌てるな。
必死に歌てる狂児の後ろでモグモグ食べとる聡実クン。
けったしな傘、どこで見つけたんやろ?🎤
映画①西部劇?機関車?ギャング?
ギャングてヤクザとおんなじやん、
ミナミ銀座って❓
うわっ聡実クン、と声かけカラオケ天国へ。
ハイエナの兄貴→たんぽぽの兄貴(注:2)参照
和子の思い出⁉️
けったしな両親に傘、あんな傘さされへん
けど☂️降るし、使うんか❗️聡実クン❗️
映画②『カサブランカ』
君の瞳に乾杯、出て来た。
愛は与えるもんらしいで!て言われて、
両親の鮭の皮のやりとりを見る聡実クン。
私、苦手。
変な和田クンが聡実クンを責めて
度量のある中川副部長がとりなす。
いつのまにかヤクザの指導に連れて来られた聡実クン。
左手の甲にネコ🐱の刺青?ある人がジュースを持って来てくれる。
聡実クンが好き放題に言ったことで怒ったヤクザを狂児がなだめる。
お互いに謝罪し合う礼儀正しさ?????
(全くわかりませんけど、集まった方々はそのものの服装でしたが、今のホンモノの方々ってこんなわかりやすい、ちょっと怖いビックリする格好をされているのかと疑問を抱いた。)
車のダッシュ•ボードから指が出て来た。
恐れる聡実クン。
狂児の出生後、狂児と命名された訳が。(注:3)参照
組長にスカウトされた言うてたけど、
ヤクザになるのん、そんな理由でか?
映画⓷サンタ出て来てた。
音叉買うたと狂児からのライン後電話。🎤←聡実クン
「選曲めちゃめちゃ大事やないですか⁉️」
とのたまう聡実クン。
「肘ついて食うなよ。」と注意する狂児。
「聡実クン、かっわいいなぁ〜。」と喜ぶ狂児。
🎵紅だ〜🎶
間に挟まんといられへんのですか?
と、ツッコむ聡実クン。
何で、音叉にマジックで色ぬるねん?
タイガースやからか?
しみじみと和訳を読む狂児。
大事な人が消え去って心が紅に染まる〜
狂児さん言うてた和子さんのことやろ?
と聞く聡実クン。
和子はオカンやってんて。
狂児いわく、
「和子の思い出やねん。って言うてたら、
仲良うなった女の子らからの追及とか、を
切り抜けられんねん。よう覚えときや。」
純情な聡実クン、頭パニック‼️
映画④、?????自転車泥棒
この中学生役の女の子ら上手いわ。
「中川、何してんの?」
「(和田の)子守。」
聡実クン、ちょっと怪しい商店街の店に、
中古のビデオデッキ見に来たら、
変なオッさんにわざとぶつかられ、
強迫〜‼️
狂児に助けられた。ほ〜。
「こんなとこに何しに来たん?
何か欲しい物あるんか?買うたるわ。」
買うてもろた❗️中古のビデオデッキ‼️
「こんなとこ二度と来たらあかんよ。」
お互い、決戦の日やな。
「ソプラノがきれいに出やへんから。」
「俺が彫られる方向で何で話進んでんの?」
グサッ⁉️
「刺さってもうた矢抜いて。」狂児。
親からお守り2個貰って思案する聡実クン。
このお父さん特徴ある雰囲気の方。
❤️狂児に一つあげようとライン。
和田クンがまた聡実クンに文句言うてる。
しゃーないやっちゃな。
飛び出した和田クンを
中川サンが追う。できた副部長。
聡実クンも追いかける。
その様子を狂児が見てた。
やっぱり言いたいわな。
冷やかす狂児に、
当たり散らす聡実クン。タメでボロカス。
よぅ、ヤクザに言うわ〜😱
狂児にお守りまで投げつける聡実クン❗️
後でラインで仲直り。
フリーザーみたいにキレる、とか?
合唱祭当日、
途中カラオケ屋の前で事故を見る、狂児かも?と思い、
合唱会場に行っても心ここに在らずの聡実クン。
抜け出してカラオケスナックに。
狂児いない、
組長が地獄へ行きよった。と言う。
聡実クンに歌わす。選曲は‥‥?
合唱祭もしてんのに。
聡実クン、『紅』を歌うとは⁉️
そして上手い‼️
狂児を偲んで歌っている聡実クン。
トイレから出てじっと耳を傾ける狂児❗️
🎵紅に染まったこの俺を〜
慰めるやつはもう居ない〜🎶
生きてて良かった❗️呆然とする聡実クン❗️
うれしい反面。 ジュースをもろて。
卒業式、
変わっている和田クンが新部長。
コーチに勧められ和田クンを励ます聡実クン。
部長より絶対にええ部長になりますよってって⁉️
最後はみんな一緒に写真撮ってん❗️
映画部の子イケメン、将来楽しみやな。
ミナミ銀座無くなるしな、
俺ら高校卒業するくらいにできるねんて。
寂しそうな聡実クン、
紅の歌詞で狂児への想いを呟く聡実クン、
幻やったんか?幻ちゃう。
名刺見て、居ったやんか⁉️
潔く身を引いた思てたら、
エンドロール終わったんかな、思てたら、
😎🤓🥸😎🤓🥸😎🤓🥸😎🤓🥸😎🤓🥸😎🤓🥸
完成間近のホテルを見ながら、
刺青で聡実と彫られた右腕で
聡実クンに電話する狂児⁉️🎤
注意❣️無垢な中坊がヤクザさんとお付き合いするのは、ちょっと、ですが、フィクションですし、
本作では、真面目で内にこもりがちな中坊が唯一心を許しありったけの思いをぶつけられる信頼できる存在として描かれていますので、いいかなぁ、と。
(注:1)キティちゃん事件•••キティちゃん好きな社長が、下手と認めた社員の左手甲にわけわからんネコか化け物かのマジックで殴り書きしたように刺青した事件。キティちゃんとは似ても似つかない。
(注:2)ハイエナの兄貴→たんぽぽの兄貴•••最初、その風貌や行動からハイエナと呼ばれていた社内一の歌下手やったんやけど、ごく秘密裡に『たんぽぽ音楽教室』に通い上達して来ましたよって。
(注:3)狂児と命名された訳•••オカンが最初出生届にちゃんと京ニと書いていた。しかし、オカン和子が通り際オヤジにぶつかってタバコの灰やらで黒く汚れてしまい、このオヤジ、「オモナイ(おもしろない)」と呟き汚れが薄く残っているところに狂と児を書きよったんです。上の二人が京の字がついていたので。
(注:4)🎤マークの箇所は、
「カラオケ行こ❗️」というセリフが入ります。
1回だけ聡実クンが言ってました。
変化を受け入れて...
声変わりに悩む中学生と、歌がうまくなりたいヤクザのお話。
合唱部でソプラノ担当をしていた聡美は、自分の低くなる声を受け入れられない。
そこにヤクザの狂児と出会い、狂児やその仲間のへたくそな歌を指導する講師的な役割になり奇妙な交流が始まる。
発表会当日、狂児が事故にあってしまい(無事だったが)おもいのたけをぶつけるような、殻を破った、紅、がとてもよかった。声変わり中で綺麗な歌声は出せなくとも一生懸命に歌う姿には胸を打たれた。実際等身大で声変わり中だった、斎藤潤くんの度々裏返ったり、掠れたりしながらうたうのが初々しくてかわいい。
カラオケ大会で負けて、聡美の刺繍(自分の好きなもの)を掘った狂児を見て、仲良くしているふたりを想像できてほっこり。
思春期に出会ったら生涯忘れられない人!
某バラエティで紹介されていた原作の実写化!ということで楽しみにしておりました!
久々に良い余韻の残る映画を見ました。間違いなく。終わりに近づくほど「ずっとこの世界観見ていたいなぁ」と切に願いました。
↓ここから独り語り
狂児と聡実くんの、友情のような親愛のようななんとも言えない関係性の描き方がとても良かった。綾野剛めちゃめちゃカッコいいし渋いなぁ、全然気付かなかった。喋り方と声の出し方がなんとも言えず素敵。恋人にしたいかっこよさでもなく、同性として憧れるような渋さでもなく、なんかかっこいい。これは多分、恋も愛もまだ知らない思春期に「大人から感じる大人感」だと思う。
聡実くんは声変わりに悩んでいて、急にこわい人(狂児)に捕まって、こわいのになんだか一緒にいて楽しいし落ち着く、でもやっぱりふとした時にこわい思いをする。
なのに狂児はいつも余裕。カラオケに誘えばすぐ来てくれるし、突き放しても変わらず接してくるし、いい大人が中学生の自分に真剣に頼ってくる(母性か?)、大切な友人?として接してくれて気恥ずかしいような嬉しいような。気持ちがあっちこっち行く自分が恥ずかしくなる。思春期ならではジェットコースターみたいに気持ちが揺らぐ。
多感な時期に狂児みたいな人に出会ったら一生忘れられないだろうな。あの後も、きっと聡実くんはずっと会いたかったんだろうなぁ。
紅の和訳がまさか狂児との思い出に繋がるとは思わず感動しました笑 聡実くんの中ではピカピカ光ってたのね!
周りを固める演者さんたちも素晴らしかった。後輩の和田くんの、悲しみと怒りの入り混じった感情が滲み出る演技は見入ってしまいました。副部長のフォローも毎回可愛かったなぁ。狂児の組の人達も素晴らしかった!会話のテンポが良くてたくさん笑わせてもらいました。北村一輝さんが宅麻伸さんにしか見えなかったけど。
息子を持つ身としては自分の息子が中学生でヤーさんとお知り合いになるなんて考えたくはないけれど笑
でも何回でも観たい!冒頭の綾野剛の熱唱見れただけで満足〜なんて思ったけど、そこからが本番だった。全編通してめちゃめちゃ良かった!
映画館で観たかったあ。
眠れない夜に『気軽に観れそう』と、
ネトフリで観ました。
でもぜひ映画館で観たかったです。
これは大音量で音楽聴きたかったです。感動だろうな。またリバイバルやってほしいです。
芸人さんのオススメマンガで気になったタイトルでした。大好きなドラマの「セトウツミ」を彷彿させるようで、じわじわ面白いです。
綾野剛さん、好きな俳優さん。ソフトで品のあるヤクザで、誘われたらついて行っちゃいそう。
ヤクザの彼が亡くなったと勘違いして
歌う魂の叫び。「紅」が胸に刺さります。
会話が面白く、三代目米津玄師…とかありそうで…いや、ナイ、ナイ、と。。三代目につける名前として絶妙ですね。やんわりボケる狂児さんと、ビビリながらもバッサリのツッコミ さとみくん。ヤクザの皆さんへのジャッジが笑えました。
最後のリトグリ合唱の「紅」も、めちゃくちゃいい!合唱部の話でもあるのでむしろ本家よりも、リトグリと中学生の皆さんとの合唱が正解な気がします。シビレました。光る青春が眩しい。ネトフリで何回も観ましたよ。いい場面で素敵な曲がかかると、作品も爆上がりで効果的です。
フラッと気軽に観たのが、申し訳ないほど感動の映画でした。久しぶりに いい映画観た〜ってなりました。しかも泣けて面白くて笑える。
沢山の人に観て、観てとオススメしたい映画です。
何度でも見たくなる愛すべき作品
遅ればせながらゴールデンウィークに初めて劇場で鑑賞し、すっかりハマって大生誕祭を含め、合計5回見に行ってしまいました(笑)
コメディーとして笑える所がたくさんある一方で、ヤクザと中学生の友情や、出会いと別れを通して中学生の男の子が成長していく様を描いたヒューマンドラマ。
最後まで心地よく見ていられ、見終わってからもずっと温かなものが残る素敵な作品です。
原作は後から読みました。原作の良さを生かしての映画化だと思いますが、原作にない場面や人物をこんな風に生き生きと描ける野木さんの脚本はさすがだなと思います。
巻き戻せないビデオテープと戻ることのない青春。「紅」の歌詞と狂児を想う聡実の心。幻だったのかな…と思っていたら見つけた名刺。伏線があちこちに散りばめられていて、ストーリーがとてもステキでした。傘や音叉やお守りなどなど、小道具の使い方も秀逸。
キャスティングもとても良かったです。どの役もみんなハマり役で味わい深くて良かったですが、何と言っても、主役の2人が最高でした!
狂児役の綾野剛さんはとにかくかっこよくて(黒ワイシャツのスーツ姿か似合いすぎ)、ヤクザの陰や凄みを見せつつも、終始お茶目で温かな雰囲気。聡実くんに向ける大人の優しさは、何度見てもキュンとしました。
狂児が熱唱する渾身の「紅」も、もちろん良かったけど、カラオケの練習で「紅」以外を歌うシーンは、素の綾野さんが歌っているような感じで、それも素敵で良かったです♪
聡実役の齋藤潤くんは、狂児に怯えながらも徐々に心を開いていくピュアな少年の感情を繊細に表現していました。悩める思春期の中学生でありながら、家庭で愛されて育った子ども故の素直さや優しさも滲み出ていて愛らしかったです。
ヤクザに囲まれて狂児の腕にしがみつく姿は本当に可愛かった!
屋上のシーンや、カラオケボックスでの「肘さとみ〜」のシーンなど、ほっこりする2人の場面は山ほどあるけど、聡実くんの熱唱とそれを片隅で見ている狂児の顔、狂児が涙ぐむ聡実の肩を抱くシーンが最高に心に沁みました。
終わり方はちょっと切ないけれど、これも青春なのかな。連絡を断って身を引いたところにも、狂児の優しさを感じます。
エンドロール後は、またちょっとほっこりしました。
傑作になり得た秀作、個人的な1点の残念な点
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと素晴らしさを秘めた作品だったと思われます。
特に個人的な驚きは、お花畑の森本先生(芳根京子さん)の人物配置でした。
実はお花畑の森本先生は、作品の中盤で、主人公の岡聡実(齋藤潤さん)の声変わりに備えて代役を準備します。
つまり、仮に岡聡実の声変わりが起これば、代役の岡聡実の後輩の和田(後聖人さん)を立てて岡聡実を最後の公演から降ろし、逆に声変わりが影響しなければ和田の方を降ろすという、シビアな備えをお花畑の森本先生がするのです。
即ち、ここで描かれている森本先生は、表面ではお花畑の言動を日頃行っていますが、その根底には(無意識でも)シビアな現実に対しての認識があるということです。
この森本先生の根底に流れる現実のシビアな認識と表面に現れるお花畑の気楽さは、厳しいヤクザの世界を生きている成田狂児(綾野剛さん)のいつも嘘やとぼけた振る舞いにも通じています。
つまり、成田狂児や森本先生などの、現実に対するシビアな認識が根底に流れているからこその表の気楽な態度の人々が、精神的に自立し周りの人々に率直でも誠実な態度を取り続ける主人公の岡聡実を、そしてそれを観ているシビアな現実に生きている映画の観客を、精神的に支え応援しているストーリーになっていると思われました。
それがこの映画を優れた作品にしている大きな要因だと思われました。
しかしだからこそ、最後の主人公・岡聡実が歌うカラオケのシーンでは、岡聡実と成田狂児の回想シーンは要らなかったと、個人的には思われました。
なぜなら最後のカラオケのシーンで観客の心の底に流れるのは、シビアな現実を生きている(映画の中の登場人物を含めた)私達の現実で、決して2人の関係性だけの話ではなかった(だろう)からです。
カラオケシーンの回想シーンによって、残念ながら映画の表現としては(シビアな現実を生きる観客含めた2人以外の他の人物を切り離して)一段浅くなったと個人的には感じました。
このシーンは、歌う岡聡実、ヤクザの組員のそれぞれの表情、部屋の外で岡聡実の歌を聞く成田狂児のカットバックで、十分、シビアな現実に生きる私達を表現できたと思われ、その点でもっと観客を信用して欲しかったと思われました。
その点はマイナスで(私的には)傑作になり損ねた残念感はありましたが、2024年の邦画の秀作の一つであるのは一方で確実だろうとは僭越思われました。
秀逸なギャグ作品
組のカラオケ大会を控えたヤクザと、声変わりを気にする中学の合唱部の部長。このヤクザに中学生が歌を教えるってのがメインのお話。あまりリアリティレベルは高くなく、ギャグ中心で、ホロっとする感じ。
私はメインのヤクザと部長よりも、部長と副部長(女子)と2年男子、のシュールな三角関係や、映画を観る部の「巻き戻しができないビデオテープ」の話が面白かったです。
本作の原作漫画は未読ですが、同じ作者の「女の園の星」を読んでおり、まあこの作家の作るものは基本ギャグだと思って観ていたので、充分楽しめました。
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