カラオケ行こ!のレビュー・感想・評価
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「♪もう二度と 戻らない」
原作未読。
「女の園の星」は読んだことがあったので、この作品もシュール系のコメディかと思ったら、かなりちゃんとした青春ドラマでビックリ。
演者陣がまずは良い。
特に主人公をはじめとする中学生たち。我々大人にとって、懐かしくも苦々しい「あの日々」の欠片をしっかり清々しく演じてくれた。
365日ごとの強制的な区切りで、全く別の種族として管理される「学校」という場所。ここでは1年経過するごとに、古い種族から順番に排斥されていく。
主人公聡実くんももちろんその中にあって、近付く卒業と重ねて変声期で大人になっていく自分を冷静に受け入れようとしながら、心のどこかで正面から向き合えない自分とも戦っている。
そして訪れる「紅」。
歌えなくなっていく現実に必死で抗う。
ああ、なんて痛々しい。
X JAPANの衝撃的なブレイクの時期をまさに青春時代に体験した我々でさえ、「紅」の歌詞をあらためて噛み締めることは一度もなかった。
しかし、その「失ったものを、もう無いと知りながら追いかけてしまう」切ない歌詞と、「それを歌い切ることが失った彼へのせめてもの償い」になるのに、過ぎていく不可逆な時間は、それを残酷にも許さないという、非常に切ないクライマックス。
思い出すと「巻き戻せないビデオテープ」とか、象徴的なシーンもあったよな。
ちょっと気になったのは、合唱部顧問の二人。
モモちゃん先生は、一見抜けている様で大事なところでは締めてくれるかと思えば最後まで軽すぎるし、副顧問の「指揮」はあまりにも雑に感じてしまった。(合唱部の指揮がどうあるべきかは知らないけど)
他にも、コミック原作実写化特有の「リアリティの違和感」はあるにせよ、チクチクと心の奥を突いてくる物語をしっかり楽しみました。
過ぎ去りていく青春を描き切ったオフビートなコメディ
興味はあったものの、評判の高さを改めて知り見てきました。
中学生とヤクザがカラオケを介して交流するコメディですが、上質な漫才を映像化したような笑いと多感な時期の少年の周囲から失われていくものを描くほろ苦さがたっぷりと描かれてました。
ストーリー上の疑問がないわけはないですが、クライマックスの熱唱ですべて吹き飛ばされました。
鑑賞後、原作も読みましたが、オリジナル部分含めて、素晴らしい映像化だったんだと改めて評価しています。
素晴らしかった
あんまり興味がなかったのだけど、見てみたらすごく楽しい。カラオケを軸に、ヤクザと中学生の交流、合唱部、変声期など刹那の瞬間が切り取られていて切ない。音楽が常に中心にあって、見せ場の『紅』のカラオケが最高だ。原作でオチを知らずに見たので、すごく感動した。
ただ、後輩には変声期で声が出ないと一言教えてあげていれば済んだ話だ。
岡君は誰にも心を開かない。狂児やヤクザ連中にはブチ切れて本心をぶちまける。誰も彼もがオープンマインドであるとも思わないし、それがいいとも限らないけど、あんなに心を閉ざしたままで大丈夫なのかと心配になる。映画部の彼にも特に本心を語っている感じがしない。
観に行ってよかったー!
今朝、気持ちが落ち込んでたときテレビで紹介していて「おもしろそうな映画だな。元気でそう」と思って観に行きました。なお、原作はまだ読んだことがありませんでした。
結果、観に行って本当ーによかったです!元気が出たし、感動したし、終わったあともしばらく余韻がさめませんでした。
たまたま、私はX JAPANのファンなので曲を映画の間中綾野さん(狂児さん)の歌唱で聴けるのも嬉しかったし、思いのほか紅がこの映画の重要部分を担っていたのでお得に感じました。YOSHIKIさんが書いた詩を中学生の聡実くんが関西弁で日本語に訳したのもなんか染みたし、なんといっても聡実くんの歌う紅は完全に心臓に刺さりました。この映画で泣くことになるとは思っていませんでした。変声期で潰れそうな喉を、かまわん!と言わんばかりに狂児を想って叫ぶように歌い上げる聡実くんの声を聴いて、心を揺さぶる歌ってこういうことだと思いました。大切な友達(狂児)をなくした悲しみ、仲間が死んだのになんでカラオケ大会なんてしてるんだ?!っていう怒りの感情を歌声で完全に表現した、齋藤潤さんの演技に本当に感動しました。さらに、もう二度と届かない、この思い...閉ざされた愛に向かい、叫びつづける。歌詞と状況が合致していて、涙を誘いました。狂児さんと聡実くんにはある種の愛情が芽生えていたと思います。歌には愛が必要と言っていた、ももちゃん先生のお話しともリンクします。Webサイトのキャストさんのコメントを読んでも、狂児さんと聡実くんのように、綾野さんと聡実くん役の齋藤さんも演技を通じて心を通わせたのかなと思いました。
また観たい映画です。また、再び私に元気をくれてありがとうと、この作品の関係者の皆様に伝えたいです!
追伸 狂児さんに 聡実くんが書いてきた曲目リストの中の「キスしてほしい」も歌ってほしかったです。甲本ヒロトも好きなので。
私の趣味に合ってる映画でした。個人的な感想ばかりですみません。
笑って泣ける青春映画
和子が聡実になる
狂児がヒモだったことがよくわかる。組長のいたずらは聡い果実への嫉妬か。脚本が素晴らしく、セリフとシーンがつながっていく。愛とは与えることであり、シャケの皮であり、合唱の愛の歌詞となる。壊れそうな10代の愛おしい日々は、壊れたビデオデッキのように巻き戻せない。しかし、街も人の生活も、形を変えて続いていく。齋藤潤君の等身大の演技は、上手下手では語れない。ストーリーや役を超えた彼の成長物語を何回も見たくなる。そして、狂児の和子は聡実に変わる。
期待度○鑑賞後の満足度◎ 愛とは焼鮭の皮(私も好きです)。ヤクザと中学生のバディコンビがいつしか微笑ましく愛おしくなる日本製コメディ映画の佳編。
①脚本が巧いですね。あり得ない組み合わせがいつしかバディに成っていく過程が嘘臭くなく自然に描かれていて微笑ましいです。
最初はたしかにギクシャクてしているふたりですけれども(映画の方も最初の方はやや歯切れが悪いですけれども徐々に良くなってくきます、編集の問題ですかね)、聡実君が狂児を慕い出す辺りから俄然面白くなります。
②映画ファンとしては、映画部で二人が観ている映画が名作ばかりで嬉しくなります(その時の聡実くんの状況を反映しているのも上手い)。
先ず、ジェームズ・キャグニーの映画(彼の映画は『白熱』しか観たことがありませんので、残念ながら題名分からず)⇒『カサブランカ』⇒『三十四丁目の奇蹟』⇒『自転車泥棒』
映画部、廃部にならなければよいなあ。
③二人の遣り取りが、いかにも笑いを取りに来るのではなく、何となくテンポがずれているのが却って可笑しい。
演出と演技との間の取り方が上手い。
④綾野剛の大阪弁には最初やや違和感がありましたけれども、さすがに演技巧者。芝居の上手さに引き込まれるうちに次第に気にならなくなってきます。
⑤橋本じゅんは、朝ドラ『ひらり』(でした。『晴れたらいいね』はドリカムが歌った主題期)の頃は右も左も分からない役者という印象だったのですけれども、最近は映画・ドラマでよく見掛けるようになって、良い中堅役者になってきましたね。ここでも、朝ドラ『ブギウギ』とは全く違う役を好演していて面白いです。
⑥組の面々もよくこれだけの役者を集めたなぁと思います。リアリティよりも一般人が持っている“ヤクザ”のイメージに沿った画作り、キャラ作りなのも笑えます。
⑦カラオケで一番下手だった組員に自分の趣味の下手くそな紋紋彫るってどんな組長よ!って思っていたら北村一輝だったので何故か納得。キャスティングも上手いです。
北村一輝にせよ、加藤雅也にせよ、ワンシーンの登場ながら印象的でしたね。
狂児命名の下りで、掠れた「京二」の上から「狂児」と上書きして“セーフや”と言ったら、姉娘が“アウトやん”とチャチャ入れたシーンも面白かった。
ホンマに大阪のオカンをやっていたあのシーンの女優さん誰なんでしょうね。
しかし、草刈正雄にしろ、阿部寛にしろ、加藤雅也(同県人として応援します)にしろ、モデル出身で若い頃は顔だけで(顔もない私が言うのもおこがましいですけれども)味も演技力もなかったのが、皆さん歳を取ってから良い役者になっておられるのは何か嬉しいですね(本作とは直接関係ありませんけれども)
⑧学校パートのエピソードがいつも突然途切れて「聡実+狂児」場面に切り替わるのは最初少々戸惑いましたけれども、ラストで回収されたので成る程と思いました。
聡実君が声変わり期に差し掛かっているのを何故和田君に誰も説明してあげないのか不思議でしたけれども、ラスト和解できて良かった。次の部長、頑張ってね。
変に思春期の恋愛ごっこを混ぜない話の進め方も良かったです。
聡実君と和田君の間を取り持ったり、不在の聡実君の和解代わりに部を仕切ったり、副部長の中川さん、男前です(今はこういう言い方もセクハラなのかしら)。
⑨聡実君も、コーラス部の部長になるくらいのしっかり者で真面目なキャラ、と思いきやなかなか図太く且つそそっかしい面もあるのが微笑ましい。
狂児にカラオケに連れてこられて「イヤや、イヤや」と言いながらちゃっかりチャーハン食べてるし、中古のカセットデッキもちゃっかり買って貰ってるし。
ヤクザに向かって「カスです」なんて吐いておきながら直後に土下座して謝ってみせるのも実は結構大物だったりして。
と思うと、狂児が事故で大怪我を負ったと思い込んでコンクールをほっぽりだしてカラオケ大会に駆けつけたり、狂児が死んだと聞いて組長含め組員を怒鳴り付けたり、「紅」を熱唱したり(ここに来て初めて彼の歌声を聞かせる、また声変わりにさしかかっているのをわからせる、構成が上手です)。
でも聡実君の、このもがきと言うか揺れ動きと言うかジタバタは、思春期のそれこそもがき・揺れ動き・ジタバタを視覚化していて実に映画的だと思います。
⑩肘をついて食べるのをヤクザが注意する(行儀や礼儀を社会のアウトローが教える)というのもよくあるギャグながら、綾野剛の巧さで微笑ましいシーンになっています。
綾野剛の硬軟ない交ぜた好演がこの映画を面白くしている大きな要因であるのは間違いないでしょう。
⑪原作コミックスは読んだことがありませんけれども、変わった大人に真面目な少年(でも大胆なところもある)が振り回されながら成長していく姿を面白おかしく描いている、成長を見届けた後突然その大人が消えてしまう、という点で大好きなマンガ「イオナ」をちょっと思い出しました。
カラオケが上手くなりたいヤクザと合唱部所属の男子中学生の交流を、緊張と笑いの中に描き出したヒューマンドラマの秀作です。
予告を観てとても気になった作品です。
綾野剛が主演だということと、作品の内容自体も
ヤクザと中学生との交流ということで珍しい感じ。
観てみましょうかということで鑑賞です。
♪鑑賞終了
感想の第一声としては「面白い」しか無いです。はい。
後から思い返せば気になる箇所が出てくるかも ですが
鑑賞中は、この作品の世界に浸りきりました。・_・
# ピリピリと張りつめた空気のヤクザの世界
# 汗と黄色い声の飛び交う中学部活動の世界
接点の無さそうなこの二つの世界(普通は、無い)を、
狂児(ヤクザ)と聡実(中学生)二人の交流を通して
見事に描いてくれました。
クスっと笑える場面は随所に散りばめられており、ヤクザ
映画特有の「今にも切れそうな緊張感」を絶妙に和らげて
いたように感じます。緊張と笑いのバランスが効果的な作品
でした。
「どうだった?」 と感想を聞かれたら
「ぜひ映画館へ」 と薦められる作品です。
観て良かった。・_・♪
※綾野剛の演じた、終始穏やかなヤクザが秀逸でした
◇あれこれ
■ヤクザな綾野剛
3年前にも「ヤクザと家族」でヤクザ役を演じた綾野剛。
その作品での「これぞヤクザ」な渾身の演技がまだ頭に残って
いて、聡実の態度にキレてしまわないだろうか と
かなり最後までハラハラしながらの鑑賞でした。・_・;
聡実クンに向かってキレる役は、他のヤクザさん達が演じてくれて
狂児サンは最後まで中学生思いの優しいヤクザでした。ほっ
■狂児という名前のキャラ
1970年代の漫画にその名前の登場人物がおりました。
氏名:人浦狂児。職業:脳外科医。
腕前は一流。人の脳移植を簡単にやってのける。
ヒトラー似の風貌。愛妻家…。
「ボクの初体験」(著:夕月光 1975~76 週マ)」
こんな名前のキャラクターはこの後出ないだろうと思って
いたのですが。 …あ。 ・_・;ビックリ
■原作がある と思ったら…
書籍サイトで検索したら、この作品の続編もありました。
「ファミレス行こう!」 わー
4年後を描いた作品らしいです。気になります。・-・ウン
■狂児の矜持
本当は京二という名前のハズが、父親のせいで” 狂児 ”という
名前になってしまった成田狂児サン。
二十歳で今の組長に拾われるまで、「普通に」頑張っていた
との本人述懐がありました。
「名は体を表す」と言われないよう、礼儀・言葉づかい・気遣い
に相当気をつけて生きてきたのかなぁ と推察。
食事中の聡実クンに” 肘をつかないで ” と注意する場面は、狂児の
矜持と美学が感じられました。
小学中学と、名前の事でイジメられたんだろうな とも推察…
狂児の生い立ちももっと知りたい気分です。
◇最後に
エンディングの後のシーン(3~4年後?)で、狂児の手首に
入れ墨が増えていました。・_・
鑑賞中にはそれが何か読みとれなかったのですが、パンフ購入して
帰宅後、それが確認できる写真がありました。
手首の文字は「聡実」。 …えっ
ここから色々、疑問と妄想。
・結局カラオケ大会は負けたの?
・絵心は”うんこ”(←と狂児が何度も連呼)な組長、字は名人級?
・”聡実”の二文字は、”好き” だから入れたのか?
・聡実が中学卒業後も、交流は続いたのか?
やはり続編が気になってきました。原作と合わせて読まねば。
(出版社の戦略に上手くハメられてますね)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
クレナイダァーーーーーー!!!!
前奏間奏が長いんよ。
紅という楽曲が無ければこのが作品うまれなかった可能性。弾幕付きか応援上映で観たい。
収録現場はそれはそれは楽しかっただろうな。最近は激ヤバ裏社会系綾野剛ばかり見ていた気がするので、中学生に優しい綾野剛めっちゃええやんと思いました。ミナミ銀座のシーンは恋に落ちてまうやろ!!あの顔面であの仕草はヒモの天才。天才的ヒモ。反社を可愛く描きすぎな邦画が気になりますが面白いしまぁいっか!カラオケ行こ!
中学生男子と反社というありえない設定と、出会ったその場で通報しなかった流され具合(?)。合唱部が皆すごく仲良しというファンタジー世界で誰も傷付く事がなく(一部例外)、純粋に誰かのために歌を歌うのは尊いことですね。クライマックスの絶唱は、しゃがれ具合が良かった。情にめっぽう弱いヤクザのオジサンたちも。
兄さんは腕の「聡実」を眺めてはニマニマするんだろうし、今後出会う女性に匂わせをするのかな。「聡実とカラオケに行く」でフラれる狂児。
「紅」がいかに名曲なのか思い知らされた
映画やドラマの「笑い」には二つあって、一つは自然と湧き起こるような「笑い」。もう一つはここで笑ってくださいという製作陣の声が聞こえてしまい、上滑りしてしまう「笑い」。本作は前者の方で安心した。
大爆笑する場面はないかもしれないが、クスッと笑ってしまう箇所がたくさんある。それはやはり狂児絡みのシーンで、終始綾野剛が少しふざけた行動をしているのが面白い。しかしあくまでも真面目にやっているから笑えてくるのだ。普通ならあり得ない中学生の聡実と友情が育まれる過程も違和感なく演じ、改めて綾野剛の力量を確かめることができた。
そして中学生の聡実を演じた齋藤潤も素晴らしかった。変声期に悩む男子中学生の心情や、ヤクザの狂児を徐々に信頼していく様子を丁寧に演じていた。そしてラストの「紅」熱唱。あれは鳥肌モノだった。高音は出ないけど狂児への鎮魂歌として全ての力を振り絞って歌う姿には感じ入るものがあった。16歳の齋藤潤だからこそできる渾身の演技だった。
で、聡実が歌った「紅」だけど、こんなにいい歌詞だったんですね…今までこの曲ちゃんと聴いたことがなかったので驚きだった。なんとなく激しくて、盛り上がる曲くらいの認識しかしていなかったことを恥ずかしく思った。序盤の英語の日本語訳も、グッとくるものがあった。本家の動画がYouTubeにアップされているとのことなので、ぜひ確認したい。
ただ、合唱部の描写についてはかなり不満だ。聡実は結局最後の合唱大会に参加しないどころか、客として仲間を見守ることもしなかったが、それでよかったのだろうか。狂児が心配なのはもちろん分かるのだが、3年間懸命に頑張ったはずの合唱部の最後の大会なのに、あっさりと狂児の方を優先したのはいささか疑問であった。
あと、聡実の後輩•和田(後聖人)の扱い方も中途半端だった。聡実のことをおれだけ嫌っていたのに、聡実が合唱部を辞める時に突然泣き出しているし、よく分からないキャラクターだった。2時間で聡実と和田の関係まで描写するのは時間不足だったのかもしれない。ちなみに副部長の中川(八木美樹)は成長しきれていない男子共と違い、一歩大人の階段を登っている感じがとても良かった。また八木美樹には可能性を感じるものがあったので、今後注目していきたい。
見事な演技と演出
綾野剛さんが適役でとても気持ちよく観ることが出来ました。細かい演出や小道具まで凝ってるなぁと思わせるところもいくつもあり楽しめました。
1点だけ残念だったのは芳根京子さんの歌声が聞けなかったこと。
ここ最近で1番笑って笑って泣いた。
24-010
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