カラオケ行こ!のレビュー・感想・評価
全634件中、341~360件目を表示
終始裏声が気持ち悪い
原作の漫画は冒頭だけ読んで止めてしまっていた。
どうもヤクザが中学生から歌を教えてもらうという設定に入り込めなかったわけだが、今回映画版を観てそうした設定を抜きにすれば、図々しい強面の兄ちゃんと内気な少年という組み合わせが案外面白くて色々と笑わせてもらった。
まずヤクザ者の成田の歌を上手くなりたい動機が面白い。
組のカラオケ大会で最下位になった者は、組長から直々に嫌いなものの入墨を彫られるという。
しかも組長は絶望的に絵心がない。
成田は何としてでも最下位を免れるために、中学の合唱コンクールの部長聡実に師事することを決める。
初めに聡実にかけた言葉が「カラオケ行こう」だ。
成田が勝負曲であるXの『紅』を終始裏声で歌うシーンは最高に面白い。
裏声が気持ち悪いだけで、音程リズムは案外しっかりしているのもツボだ。
そして成田の下の名前「狂児」が本名だというのも面白いが、その名前のせいで彼の人生の歯車が狂ってしまったというのは何だか切ない。
とにかく二人のやり取りに思わずニンマリしてしまうシーンばかりだが、思ったより聡実の存在感が希薄なのが気になった。
彼はボーイソプラノなのだが、変声期によって裏声が上手く出せなくなっていた。
そのせいで彼は肝心の合唱コンクールに出場するためのモチベーションを失いつつある。
これは成田にとっても聡実にとってもある種の成長物語だと思うのだが、聡実が最後に下した決断にはちょっとモヤモヤが残ってしまった。
それともっと聡実が成田や他のヤクザに専門的な指導をするシーンが観てみたかった。
まあ、これはカラオケが上手くなるというところに主旨がある作品ではないのだろう。
聡実がもうひとつ掛け持ちしているVHSで映画を観るという部活の存在も何気に面白かった。
個人的に学生時代にX JAPANにはとてもハマったので、何度も『紅』を聴けて楽しかった。
最後まで退屈せず楽しむことができる作品
口コミの評判が良かったので久しぶりに映画館に行き、鑑賞しました。
退屈する場面が無く、ストーリーや俳優の演技、音楽までよく考えてこの映画が作られているなと感じさせる作品だと思いました。
面白いとは聞いていましたが、期待通りの面白さで最高でした。
映画館で同じ作品を再び観に行くことはこれまでなかったのですが、2回目も鑑賞してあの面白さをもう一度味わいたい!と思い、席を予約しているので今から楽しみです。
誰かに勧めたくなるそんな映画だと思います。
普通
紅に染まった この俺を
野木亜紀子ファンです
鑑賞動機:評判9割、野木氏1割
原作未読。
個人的にツボに入ったのは「傘」「間に歌わずにはいられないんですか」そしてやっぱり『紅』シャウトシーンだろうか。
綾野剛が(裏声気持ち悪いと言われてたけど)なかなか歌が上手くて驚く。でも最大の功労者は齋藤潤君。狂児への態度の変化とか、部活動での顔、家族の前での顔、ヤクザを前にした時の顔、それぞれでの変化の付け方とか、上手いなあ。
もちろんこんなヤクザはファンタジー何だけど、楽しい時間を過ごせた。
副部長の酸いも甘いも噛み分けてる感よ。
こんな気の良い893ばかりなら世の中平和だが。
2回目行きました
紅が頭から離れない
八木さん推しと山下さんも好きで。爽やかな青春映画だった。主演の子の...
八木さん推しと山下さんも好きで。爽やかな青春映画だった。主演の子の揺れ動く感性がいい。
坂井真紀さんは関西弁はもちろん、いつものようにいい。
綾野さんは、人懐っこく、人の懐にグイグイ入っていく感じがいい。MIUもそうだった。この意味で今回もバディもの。
映画部が良く、文系の中学生たちの今の感じが良かった。羽根さんの先生も距離感あって淡々としつつ、子どもたちを受け止めてるのがいい。
ヤクザも怖すぎて面白かったし、さすが北村一輝さん。
脚本がいい!
40年越しの角川二匹目のドジョウ
綾野剛にもうちょっと恐いリアルヤクザを期待していたのだが大阪弁が足かせとなったらしく脚本から1ミリも逸脱しない原作通りの漫画映画で1981年に角川でヒットした「セーラー服と機関銃」の現代男子中学生版である。思えば監督の山下敦弘は相米慎二に風貌が少し似ている。目高組の時代にはまだ組間の抗争や巨悪との対峙があったが、今や暴対法を経てヤクザという社会的存在は完全に形骸化してしまっておりアタマから道化キャラで恐さと笑いのアンビバレンツが微塵もないのだ。少なくとも(いくら原作通りとはいえ)中学生とヤクザが出会ってすぐカラオケボックスは無いだろう。現代の若者たちはバックボーンのめんどくさい部分は全部端折ってこのシチュエーションコメディをいきなり楽しめるのだろうか?音楽と映画の親和性にのみ依拠し熱唱するおやじたちや変声期のリアル中学生齋藤潤を愛でるだけの映画。これがヒットしてしまうことを憂う。
全634件中、341~360件目を表示









