劇場公開日 2024年1月12日

「意外ですが、納得です。」カラオケ行こ! TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5意外ですが、納得です。

2024年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

山下敦弘監督について、正直「観る・観ない」を雰囲気で決めているところがありますが、ここ数年の作品についてはどちらかと言えばあまり興味がわかないでいます。今作『カラオケ行こ!』も、「あ、山下監督か」と気づきつつ「まぁ、配信でいいかな」と大して迷いもせずにスケジュールから外していましたが、なんだか上々の評判と聞き、少し仕事も落ち着いているので2週遅れで2月のファーストディに鑑賞です。ただ、3週目目前にもかかわらずTOHOシネマズ日本橋は客入りのいい時間に番組を組み、さらにはTCXの8番スクリーン。実際、パンフは売り切れているらしいし、大きめの箱にそれなりのお客さんが入っていました。
感想ですが、まぁ面白かったです。熱量は高くないですが不満はありません。この映画を好きな方にこんな評価で申し訳ないのですが、、設定は如何にも漫画ですね。こんな言い方もまた漫画好きの方に叱られそうですが、ネガティブではないのです。むしろ、割り切って受け入れているというつもりです。そしてストーリーは、意外性なく割と展開も「こうなるかな」という方向に進みます。これもネガティブな意図はなくむしろ安定感があって安心です。
秀逸なのはセリフのある出演者に悉くしっかりキャラがあって素晴らしい。この点は恐らく漫画原作作品には重要な点だと思うのですが、やり過ぎていないバランスの良さがあって観ていて引っかかりがありません。やっちゃん達は「いかにも」なのにちゃんとそれぞれに個性がある。特にチャンス大城、サイコウw。非やっちゃんの大人たちでダントツにいいのはやっぱりの坂井真紀さん。シリアスもいいですが、コメディの酒井さんはこの世代の女優さんの中で無敵感があります。で、本作は何といっても学生役の皆さんが素晴らしい。何といっても「間(ま)」だとか「温度感」が絶妙で、きちんと等身大の学生に見えますし、それでいてやっぱり上手で面白くちゃんと演技なんですよね。この辺はやはり監督の手腕が大きいような気がします。副部長・中川役の八木美樹さん、惚れちゃいますw
結局のところ、ここまでの評価に驚きつつも違和感はなく、強いファンが付くのも解るような気がします。どうしても映画館という作品ではないものの、せっかくなら観終わってからの余韻を楽しむためにも劇場鑑賞悪くないと思います。損はないです。

TWDera