劇場公開日 2024年1月12日

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「40年越しの角川二匹目のドジョウ」カラオケ行こ! たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.540年越しの角川二匹目のドジョウ

2024年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

綾野剛にもうちょっと恐いリアルヤクザを期待していたのだが大阪弁が足かせとなったらしく脚本から1ミリも逸脱しない原作通りの漫画映画で1981年に角川でヒットした「セーラー服と機関銃」の現代男子中学生版である。思えば監督の山下敦弘は相米慎二に風貌が少し似ている。目高組の時代にはまだ組間の抗争や巨悪との対峙があったが、今や暴対法を経てヤクザという社会的存在は完全に形骸化してしまっておりアタマから道化キャラで恐さと笑いのアンビバレンツが微塵もないのだ。少なくとも(いくら原作通りとはいえ)中学生とヤクザが出会ってすぐカラオケボックスは無いだろう。現代の若者たちはバックボーンのめんどくさい部分は全部端折ってこのシチュエーションコメディをいきなり楽しめるのだろうか?音楽と映画の親和性にのみ依拠し熱唱するおやじたちや変声期のリアル中学生齋藤潤を愛でるだけの映画。これがヒットしてしまうことを憂う。

たあちゃん