「《紅》、いい歌だ」カラオケ行こ! Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
《紅》、いい歌だ
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原作・和山やまは少し読んでたから、面白くないわけがないと思ったんだよ。
最初から「これは面白いぞ」と思って観てるから、ハードル低くなってると思うけど、面白いね。
和山やまの淡々とした笑いを映像化するの難しいと思うんだけど、「ここは原作ではこんな感じなんだろうな」と思わせつつ凄くうまいの。
主人公・聡実くんの気持ちの動きの描き方もうまいね。
狂児とのやり取りが、お互いの返しが全く読めなくて、面白いんだよね。
LINEで『ごめんな』が来るところからの流れは、「こんなにうまくLINEを使った作品があっただろうか」と面白いね。
でも、いくら良い人たちに見えてもヤクザだからね。どっかで悲惨な話は入れてくるはずなんだよ。そしたら、きたね。合唱祭の日。「やっぱり、こうなっちゃうのかあ」っていう。
そして当然の流れで聡実くん絶唱になるけど、泣いた。ベタ展開なのに……と思ってたら、さすがの和山やまテイストだった。
エンディングに入って「女性ボーカルの《X》もいいな」と思ってたら「なんと! 合唱バージョン!」で良かったな。
エンドロール観てて気になるうまい脚本は誰?と思ったら野木亜紀子。さすがすぎる。
それでラストに監督が山下敦弘。
原作、脚本、監督と揃うと、面白い作品ができるね。
それで家に戻って原作読んでみたら、驚愕。
野木亜紀子がめちゃくちゃシーン足してんじゃん。ストーリーの基本線を保ったままエピソード足してるし。そしてそれが面白い。すごいよ。こんな脚色は原作者と同じくらいの創作レベルがないとできない。
ということで、色んな人たちの技の冴えを観ることもできるし、良い映画だと思うよ。
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