「紅」カラオケ行こ! ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
紅
原作は未読で鑑賞。2023年試写会の締めくくりは今作でした。
とても上質な実写化でした。おそらく原作のテンポはそのままに、コメディなところを過剰に演出しないで役者に託していたのが良かったですし、そのコメディが全てヒットしていったので楽しかったです。
ヤクザと中学生という交流の無さそうな2人が出会うすれ違いコントのような形式が映画の尺にもピッタリハマっていて良かったです。
歌を上手くなりたいヤクザの狂児と、合唱部の部長を務める聡実くんが偶然出会ってカラオケに行くという不思議な縁で生まれた2人や周りを巻き込んだコメディ映画でした。
最初は遠慮がちだった聡実くんが、最初は小さな指摘だったのが、どんどん気になる点が増えていって乱暴な言葉を使い出すのが面白かったです。
ヤクザの面々は皆々揃って課題が多かったので、最初の方はしっかりした指摘だったのに、もう面倒くさくなって「カスです」と言い放ったシーンは劇場もドッと湧いていました。
狂児はコワモテかつ中々に危なそうな行動を取るけれど、歌を上手くなりたい一心で聡実くんを誘ったもんですから、常に低姿勢ですし、気配りもできてますしで、そのギャップに萌え〜な展開が続くのも良かったです。
綾野剛さんは「花腐し」でも歌上手いな〜と思っていたので、今作では様々な楽曲を披露してくれるので贅沢なもの観れてるな〜と余韻に浸れました。その合間合間にぶち込んでくる「紅」が笑いとして機能しているのが最高で、どんどんそれを待っている自分がそこにはいました。
オーディションで大抜擢された齋藤くんが実際に声変わりしているというところを作品に最大限活かしていたのも素晴らしくて、声変わりだからこその苦悩をしっかりと作品内で提示していましたし、声の変化に悩みながらも大切な狂児への想いを込めて熱唱する「紅」は痺れました。映画が終わった後も頭から「紅」が離れませんでした。無限ループです笑
原作の続きはファミレス行こ!となっているので、エンドロール後の映像とも関連あるんだろうな〜とワクワクしながら原作を読み倒そうと思います。
鑑賞日 12/28
鑑賞時間 19:00〜20:50
座席 G-7