「シューティングゲーム」シーフォーミー レントさんの映画レビュー(感想・評価)
シューティングゲーム
当時、視覚障害の主人公がアプリによるサポートを受けて危機を脱するという発想に魅力を感じつつも評価の低さが気になり劇場鑑賞を見送った。なるほど、評価の低さが分かった。色々と問題がある作品。
サポートアプリに助けを求めながらサポーターの言うことも聞かずにうかつにその場から動いてしまう主人公、通報を受けて来たのは警官たった一人、侵入者は少なくとも二人と聞いてたはずなのに、それに警官は基本二人で行動するでしょ。その後の応援の警察が来るのが遅すぎたり、黒幕が間抜けすぎたり、色々脚本に粗が目立つが一番ダメなのは主人公が最後にお金をくすねたらしいということ。確かに断定はできないが、母親の練習費用を工面しなきゃあという言葉にバッグを大事そうに抱えてにんまり。いや、どう考えてもくすねてるでしょ。
本作は目に障害を負って自暴自棄になり他人の家からものをくすねていた主人公が、今回の体験で人間的に成長したところを観客に見せないといけない。映画を見る人間はそれでカタルシスを覚える。
確かに練習は始めたけど、結局主人公は改心してないとなれば観客は上映時間中何を見せられていたのかということになる。途中自分のせいで警官が犠牲になったと悔いていたのはなんだったのか。ほかの粗は許容できてもこの結末がダメすぎて、すべてが台無しに。まあ、配信で命拾いした。
視覚障碍者を主人公にしたサスペンスといえば日本でもリメイクされた韓国映画の「ブラインド」をお薦めしたい。
コメントする