「全然共感できない主人公による新しいタイプのケイパースリラー」シーフォーミー 最凶線さんの映画レビュー(感想・評価)
全然共感できない主人公による新しいタイプのケイパースリラー
まず先に言っておくと、この映画の主人公は無垢な被害者では全くないです。
自分が視覚障害者であることを利用して、猫シッターで行った金持ちの家から高給ワインをくすねるという倫理的になかなかアウトな行動を行っています。
しかも、家に押し入ってきた強盗に対して分け前を寄越せと取り引きを持ちかけるという、なかなかパンチの効いた人物であることは間違いないと思います。
最終的にちゃっかり金庫の金もくすねてるし、誰が悪役なのか分かったもんじゃないところがこの映画の新しい要素でした。
ケイパースリラーとしては、家の外からガラス張りの家の内部を映すショットがとても良く、主人公がさっきまでいた場所に強盗が移動してくる感じがとてもスリリングでした。
あとは冒頭の雪が降り積もる道をタクシーが走ってるのを俯瞰から撮るショットが、キューブリックのシャイニングを彷彿とさせて映画のオープニングとしてはとても良かったと思います。
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