「視覚障害という設定だけに頼らない脚本の妙が冴え渡る逆『ドント・ブリーズ』」シーフォーミー よねさんの映画レビュー(感想・評価)
視覚障害という設定だけに頼らない脚本の妙が冴え渡る逆『ドント・ブリーズ』
視覚障害者の主人公ソフィが自分の障害を逆手に取ってペットシッターとして赴いた家で窃盗を繰り返している常習犯であるという設定にまずビックリ。視覚障害者サポートアプリ“シーフォーミー”を使って邸宅の侵入者と淡々と攻守を繰り広げる話かと思いきやそこも違って、ソフィがアプリ経由でパートナーとなった元軍人のケリーの言うことを全然聞かず勝手な行動に出ることでどんどん窮地においこまれていく意外な展開。とにかくこちらの想定を絶妙にかわしていく軽快な展開は見事でぐいぐいストーリーに引きずられてあっという間にクライマックス。ここでも一捻りツイストが効いているので終幕間近の意味深なカットにちょっとした不協和音が残っています。
93分とタイトな尺にぎっしり詰め込んだサスペンスに加えて、ソフィを演じているスカイラー・ダベンポートがソフィと同じく成人してから視力を失った視覚障害者だということにも驚きました。
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