劇場公開日 2022年7月23日

「何度か泣いた 何度も憤った そして希望をもらった」劇場版 荒野に希望の灯をともす コホーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0何度か泣いた 何度も憤った そして希望をもらった

2022年8月10日
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淡々と、ただ淡々と記録映像に中村哲医師の言葉が朗読され、その行動が映し出される。
なのに、なぜか涙が溢れる瞬間が何度も訪れる。その理由は映画として良いとか悪いとかを超えた何かだと思った。
この殺伐とした地球に生きる辛さや苦しさという誰もが持っている"心の荒野"に「あきらめることは無い、人間もまだ捨てたもんじゃない」という希望を見せてくれる。映像美でも映画的技巧でもなく、愚直な21年間の"実録"のすごみに、90分の中で何ども突き動かされ、揺さぶられる。
よろよろと映画館を出ると、自分の目の前に広がるいつもと変わらぬはずの風景にキラキラと光が差し、道行く人たちを愛おしく感じた。そんな映画だった。
ありがとう、中村哲医師。

コホー