「光が差し込む対話の幸福」窓辺にて 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
光が差し込む対話の幸福
物静かな空間で尺の長いテイクが続いていく。日常の描写が映画では特別な時となるが、音も画に収まる人物も削ぎ落とし、会話の中に特別を閉じ込める術に、改めて感心する。キャストそれぞれがハマり役で、良い仕事のバトンリレーで物語りが進んでいた印象。後ろめたさと喪失感、愛情表現に憤り、私的な感情が交差する時々の窓辺にて、ふと感性の一致する瞬間が我々の日常にも潜んでいること。その共感は素敵な瞬間なのだと、静かに周知させてくれるくれ作品だ。そして、前向きに劇場を後にした。
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