「そのかわり、わかりやすい。」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
そのかわり、わかりやすい。
2023年。ジェームズ・マンゴールド監督。15年ぶりらしい、スピルバーグ監督のではない、インディ・ジョーンズ。「ナイト&デイ」を見ているかと思った。どこまでも普通に明るいマンゴールド監督らしさ。したがって、スピルバーグ監督のような夜の黒さ、悩みの深刻さ、光のまぶしさはない。しょうがない。そのかわり、わかりやすい。
ひねった心情的な陰り、それを乗り越えたり乗り越えなかったりする人間関係の複雑さはない、そのかわり、わかりやすい。殴って解決(ただ、フォローはある)。
鉄道、車、馬、地下鉄、タクシー、バイク、船、飛行機まで、これでもかと乗り物が出てきて主人公(たち)を連れて行く。ハリソン・フォードは走らない。老いたからではなく、最初から走らなかった。トム・クルーズとの何たる違い。だから、インディ・ジョーンズの魅力は乗り物の魅力であり、「拉っし去られる」魅力なのだ。「捕虜」ほどインディにふさわしいイメージはない。今作も主人公(たち)はたびたび捕虜となる。
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