「ハリソン・フォード、スピルバーグ、ルーカス、本当にお疲れ様でした。ありがとう!」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリソン・フォード、スピルバーグ、ルーカス、本当にお疲れ様でした。ありがとう!
第一印象は「老いたなぁ」でした。
そりゃそーだ。ハリソン・フォードは79歳ですもん!
役中のインディは68歳か70歳かわかりませんが、大学退職です。
話が進んでも、前作のような「ケンカの強さ」「修羅場慣れ」「超一流の冒険家」としての姿は全然見えてこないので哀しくなります。
肝心のストーリーは、もう、ちょっと、どうでもいいかもしれません。
とにかくがっかりしたのは2点。
◯ヒロインにまったく魅力を感じない。感情移入出来ない。
◯インディさえ登場すればもう大丈夫!という、シリーズに共通してきた安心感がまったく無い。
第1作ヒロイン、マリオンの気の強さはスターウォーズのレイア姫をイメージしているところもあるのかな?と感じましたし、2作目ケイト・キャプショーのウィリー、3作目アリソン・ドゥーディーのエルザ、4作目ケイト・ブランシェッドのイリーナも、みな非常に魅力的でありました。
ギャーギャーうるさいお荷物なだけのウィリーですら、それなりに「助けてやらなくちゃ」と感じたし嫌いじゃなかったです。
しかしながら!本作のヘレナだけは全っ然ダメ!
動機や行動基準は常に「金」だし、歴史や遺跡への価値理解もないし(ニコ・ロビンにお仕置きされるぞ?)
いくら父親への確執や生育歴に問題があろうとも、そんなのインディやマリオンだって似たようなもんだし。
闇堕ちする言い訳にはならないです。
物語だって、前作クリスタル・スカルではマットくんのお目々がだんだんまんまるく見開かれ、老けたか?と思わせたインディが次第に往年の魅力を取り戻していくのに対し、本作はどこまでいっても限りなく「お爺さん」なんです。
それも、ショーン・コネリー演じたパパ・ヘンリーのような円熟の余裕と魅力溢れる老爺ではなく、男やもめの哀愁と侘しさ漂う情けないジジイです。
いや、これで終わるはずはない。そのうち、牛追い鞭を片手に頼もしい事この上ないいつものインディが見られるはず・・・!と祈っているうちに、結局終わってしまいました。
しかも、歴史が変わるかもしれない事も構わず「ここに置いていってくれ」だとう?!
バックトゥザフューチャーのドクとは事情も立場も違うんだからさぁ!
勘弁してよ?ジョーンジィ〜。
ここばかりは殴り倒してくれたヘレナ、グッジョブです。
結局ですねー。
インディに「絶対にダイヤルを手に入れる!」という熱意がないんですよ。
フォラーに渡しちゃならないし、ヘレナに渡せば売り飛ばされるからやっぱり渡しちゃいけない。という消極的理由でとりあえず追いかけているだけだから観客も熱くなれない。
ヘレナも本心は「父が果たせなかった夢を叶える!」ってのがあると思うし、インディと行動しているうちに歴史の謎にもワクワクしてるっぽいんだけど、その「変化」が描かれない。
それがあれば、きっと過去ヒロイン同様に魅力的存在になったんだろうけど中途半端なまま終わってしまいました。
マットが死亡した設定も驚愕です!
「(歴史が変われば)息子は死ななかったかもしれない」
「自分を困らせる為に入隊した」
「マリオンは入隊を止められなかった俺に愛想を尽かし、俺は彼女を癒せず彼女は出ていった」
みたいな感じだったと思うんですけど(ショックでうろ覚え)もう、一体何が起きたのかと。
おかげで、本作レビュー書く前に急いで過去作おさらいマラソン鑑賞してしまいました。でも、当然過去にヒントは一切無し。
という事は1969設定ですから、ベトナム戦争に従軍して戦死した、っていう新設定ですね。
そんな、いきなり悲し過ぎる展開でしょう!
なんなの、これは?
脚本検討段階において「スピルバーグは過去を、ぼくは未来を見ている」とこぼしたルーカスは最終的には本作に参加しませんでした。
スピルバーグもメガホンは取らず、監督をマンゴールドに任せました。
ルーカスがディズニーにスターウォーズを売った時「僕は子供達を売ってしまったんだ。奴隷としてね」と漏らし、すぐに謝罪声明を出しましたが、それでもこれは彼の本心でしょう。
ルーカスが作りたいものと「観客のニーズ」が違ってきてしまった。
大勢にウケるもの、興行収入をあげられるもの、ディズニーや世論が求めるものと、ルーカス&スピルバーグが作りたいものはもう違う。
インディの哀しき老爺の姿は、ルーカス&スピルバーグ、彼ら自身の心情投影なのかもしれません。
講義は満席、学生達に大人気だったジョーンズ教授が、今は閑古鳥。
そんなシーンは見たくありませんでしたが、あの学生は「現在の映画ニーズ」を表していたのかもしれませんね。
最後にマリオンと寄り添って生きるハッピーエンドはスピルバーグの仕事だな、と思います。
インディはもう、冒険に旅立つ事はないでしょう。
同様に、スピルバーグはもう娯楽大作は撮らないかもしれないし、ルーカスはビジネスを離れ革新的(実験的)映像制作を細々と続けていくのでしょう。
それでも最後に、スピルバーグがメガホンを取り、ルーカスが思いっきり編集した「最終作」が観たかったな。
スピルバーグならもっと違う撮り方をしただろうし、ルーカスならもっとずっとテンポが良くなっていた事でしょう。
ハリソン・フォード
スティーブン・スピルバーグ
ジョージ・ルーカス
「インディアナ・ジョーンズ」という素晴らしい作品を生み出してくれて本当にありがとう!
間違いなく、映画の歴史を塗り替えた名作でした。今はただ、穏やかな日々を過ごしてくれる事を祈っています。
(最終作品に敬意と感謝を込めて、せめて日本最大スクリーンのIMAXで鑑賞してきました。(涙))
今晩は。
ご無沙汰しています。御身体ご自愛下さいね。
「アナザー・カントリー」への共感有難う御座いました。
嬉しかったです。
それにしても、pipiさんのレビューの共感数は凄いですね。納得ですが。
無理をなさらない程度に、とは言っても切れ味鋭いレビューを再び拝読したいモノです。では。
返信は不要ですよ。
M:Iの方は、
○女性陣の魅力
○イーサンが来ればもう大丈夫、の2条件を満たしていますから、お楽しみに。時間が長いですから、体調にお気を付けていらしてください。
pipiさん
共感をありがとうございました。
スピルバーグ氏
ルーカス氏の
「インディアナ・ジョーンズ」
ハリソン氏 本当に お疲れ様でしたですよね。
このシリーズも大好きでしたから
ちょっぴり寂しい気がしますが
大満足でした(^^)/
pipiさん、ステキなレビューを
ありがとうございました。
pipiさん、共感とコメントありがとうございました✨
同じく、pipiさんのレビュー全文に同意見です!
本当に「感謝」の一言に尽きますね。
フォロバさせて頂きます、これからもよろしくお願いします🙌