「作られる必要ない酷いインディジョーンズ風な映画」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル snake666さんの映画レビュー(感想・評価)
作られる必要ない酷いインディジョーンズ風な映画
スピルバーグが監督していない時点でかなりハードルは下がっていましたが、それでもそれなりに面白いのではと期待していましたが、結果としては酷いものでした。
まず、オープニングのディズニーのロゴで「ムムム…そうかぁ…」となり、さらに伝統のパラマウントの山のマークからの切り替えしが無い!もうこの時点で嫌な予感しかありませんでした。
しかしオープニングの回想シーンではCGによる若返りインディが登場し、ちょっと声だけお爺ちゃんな所はだいぶ違和感はあったものの、アクションとしてはなかなかの迫力があり「おっ、大丈夫かも!」なんて安心しちゃってました。しかしピークはここまでで、現代に戻ってからの話は全くノレませんでした。
CGを多用したアクションも見た目は派手ですが、何も引っかかる所が無く目の前でガチャチャしてるだけで眠くなるだけでした。
カーチェイスも「魔宮の伝説」のトロッコチェイスやりたいんでしょ?って冷めた目で見てしまいました。
登場人物もインディと行動を共にするヘレナがキャラクター的に何の魅力もなく、ディズニーが関わってるからひょっとしたら女インディとして後を継がせるのか?とさえ想像しちゃってました。さらにヘレナの相棒の男の子もヘレナ同様、金にしか興味がないのに急にラストでは「インディは友達だから助ける!」みたいな、全くその心境の変化みたいなのが描かれておらず、感情移入が全然出来ませんでした。
とにかくこのインディ、ヘレナ、男の子の3人が仲良いのか悪いのか、何がしたいんだって感じでした。
そしてストーリー的にはやはりクライマックスでのインディの選択を無視して現代に連れ戻したヘレナの行動にもモヤモヤでした。
個人的にはインディがどうして過去の時代に残って余生を送りたいのか、じっくり語っていた流れから、そのまま考古学者として過去に残っていたらどれだれロマンのあるストーリーになっていたのか。
結局見せられたのは再会したマリオンとの老カップルのイチャイチャで幕を閉じるという、うーん、これが見たかったんじゃないっすよーって。
とにかくキャラクターの描き方やストーリー展開が雑で、やたらと長い(エンドロールもめちゃくちゃ長い!)
インディジョーンズを観に行ってるはずなのに、インディっぽいものを観させられてるというか、これがディズニーのせいかって、なんか以前「スターウォーズ フォースの覚醒」で感じたのに近い印象をうけました。
自分としては、タイムマシーンなんてどうでもいいから、もう前半の回想シーンのくだりだけでよかったかなと。あそこで出てきたキリストを刺したって剣の話を深掘りした話を観たかったですよ。
ただ、以外と期待以上だったのはジョンウィリアムスの音楽が頑張ってたかなって。内容がどうしょうもない本作を何とかしてたのはこの音楽があったからではないかと。
ゆえに本作を観ていて一番上がったのはエンドロールの最初のインディジョーンズのテーマがガンガンかかった所であったのは言うまでもありません。しかしエンドロールの本当の最後ではまた賑やかにやって欲しかったのですが、静かな音楽で終わってしまい、ここも不満の残る締まらない感じでした。やっぱりエンドロールの最後の最後でまたインディのテーマが爆音でやってくれて、ハァ楽しかったなぁとなるのをやんねぇんだなって、とても、ガッカリでした。
ハリソンフォードは思っていたよりも元気そうでしたが、作品が酷いのでこんなインディは見たく無かったと言わざるをえません。