「時空を超えたインディー!」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
時空を超えたインディー!
自分が20代の時に観た『失われたアーク』から、新しい作品が公開される度に、斬新なアクションとアドベンチャーで、私達を魅了したて来た『インディ・ジョーンズ』シリーズもこれが見納め。ハリソン、スピルバーグ、ルーカスがタッグを組んでのジェット・コースター・ムービーと言われた映像は、どの作品も印象深く、本作でも最初から最後まで、胸躍るハラハラ、ドキドキの連続だった。
これまでのインディーは、幻の遺跡を掘り当て、魔宮に侵入し子供たちを助け出し、聖杯を探し当て、前作ではとうとう宇宙人とも遭遇。ラストを飾る本作では、いったい何をみせてくれるのかと思いきや、何と、時空までをも超えるファンタジー・アドベンチャーを見せてくれた。
今回は、インディが若かりし頃に、一度は手にした、歴史を変える力を持つというアルキメデスの秘宝『運命のダイヤル』を巡ってのアドベンチャー。1作目からの宿敵であるナチス・ドイツの残党科学者フォラーを相手に、『運命のダイヤル』の争奪戦が、アメリカからトルコ、シチリア等の世界を股にかけて繰り広げる。そして、その争奪戦の末に行き着いた先が、今回の一番の見所とも言える❣
ハリソンもすでに80歳。確かに立ち姿や走る姿は、歳を感じるが、あの歳であのアクションをこなす体力作りは、並大抵の努力ではないだろう。走る列車の屋根の上でのファイティング、狭いの街道をトゥクトゥクで疾走するカーアクション、飛行機からのスカイダイビング等、CGを駆使しているとはいえ、その派手なアクション・シーンには、頭が下がる思いだ。
今回のヒロインは、インディーとの考古学者仲間だったバジルの娘・ヘレナを演じたフィービー・ウォーラー=ブリッジ。自分にとってはお初の女優さんだったが、これまでのインディのお相手のマリオン役のカレン・アレンやウィリー役のケイト・キャップショーと、どこか似た雰囲気のある女優さんだ。
そして、宿敵となるのが、『ファンタスティック・ビースト』や『007』で、悪役として凄味のある演技が定評のあるマッツ・ミケルセンが演じている。また、懐かしい所ではサラ―役のジョン・リス=デイビスも出演。そして、チョイ役ではあったが、アントニオ・バンデラスも、インディーの協力者として顔をのぞかせていた。
ラストのインディとマリオンとのやり取りは、嘗ての名シーンを想起し、本シリーズを締めくくる微笑ましいシーンでのエンド・ロールとなった。長きに渡り、映画の面白さと楽しさを与えてくれた本シリーズとハリソンに感謝したい。