「40年以上に渡って熟成された世界観から一歩もはみ出さない鉄板活劇、オーラスではアラカン大号泣」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル よねさんの映画レビュー(感想・評価)
40年以上に渡って熟成された世界観から一歩もはみ出さない鉄板活劇、オーラスではアラカン大号泣
前作『〜クリスタル・スカルの王国』がプロットで冒険し過ぎて壮絶なスカに成り下がったのを反省したのか、かつてのシリーズへの原点回帰を宣言するかのような第2次大戦下で繰り広げられるオールドファッションな活劇は並のB級アクションならクライマックスになるくらい贅沢極まりないツカミ。運命のダイヤルを巡る冒険のイントロに使われる曲で時代を俯瞰してみせ、以降は期待を裏切らない安定した展開。40年以上に渡る年月を経てガチガチに構築された世界観から一歩もはみ出さずドラマの緩急の付け方やジョークの付け方もオーソドックスなので今回監督がジェームズ・マンゴールドに代わったことによる変化はほとんど見て取れません。
文句の付け所はどこにもありませんがこういう鉄板の冒険譚は映画に限らず無数に作られているわけで斬新な描写というのはもはや相当難しいのかどうしてもあらゆるカットに既視感を感じてしまい、今回チラッとアントニオ・バンデラスが出ていることも相俟って『アンチャーテッド』を観ているような錯覚すら覚えてしまいました。
しかし何といってもオーラスの展開。シリーズの歴史をリアルタイムで観てきた世代はここで号泣することになるでしょう。ということで『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』すら観たことがない人は何にも面白くないと思います。
たまたまですがアストラッド・ジルベルトへの追悼にもなっているところもグッときました。
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