「文明の進化がもたらす功罪」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
文明の進化がもたらす功罪
回を重ねるごとに「月刊〇ー」チックなトンデモオチになっていった『インディ』シリーズだが、今回はある程度予想出来てたとはいえ、「そうきたか…」という感想。いやもう参りましたとしか言いようがない。
ジェットコースタームービーの代表作ともいえる本シリーズだけど、要となる追いつ追われつのチェイスシーンが、列車、トゥクトゥク、車、馬、飛行機と乗り物自体は代わるものの、どれも似たり寄ったりな印象。「文明の進化によってチェイスシーンを派手に出来る!」と踏んだのかもしれないが、詰め込み過ぎてメリハリがなくなってしまったような…乗り物が車やトロッコぐらいしか出なかった第1~2作目がいかに優れていたか。それより何よりも、ムチを使ったアクションが些末になってしまったのが残念すぎる。
過去作を観てきたファンに向けてのサービスシーンも悪くはなかったけど、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のような取って付けた感が否めず。
とまぁいろいろと苦言を並べたけど、それでもチェイスシーンは観ていて興奮したのは確かだし、80歳という年齢を感じさせないハリソン・フォードはさすが。若い頃のインディを描くために過去作のフッテージを使ったという技術にも驚き。ここでも文明の進化を感じずにはいられず。
あとジェームズ・マンゴールド作品といえば、主人公の仲間や善側になり得る人間をアッサリと躊躇なく殺してしまう傾向があるが(『3時10分、決断のとき』、『ローガン』あたりに顕著)、本作でもそれは踏襲。この不条理な作風はどこから来ているのか、一度じっくり考察してみたいもの。
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