劇場公開日 2022年10月8日

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「エンドロールとはいえ国会議事堂爆破は蛇足」夜明けまでバス停で 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エンドロールとはいえ国会議事堂爆破は蛇足

2022年11月10日
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鑑賞方法:映画館

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2022年映画館鑑賞60作品目
11月7日(月)フォーラム仙台
スタンプ会員デイ1200円

監督は『愛の新世界』『光の雨』『痛くない死に方』の高橋伴明
脚本は役者としてもひっそりと活躍している梶原阿貴
梶原作品は初鑑賞
映画のオリジナル脚本は初挑戦らしい

バス停の椅子に座り野宿するホームレスの60代女性がカッとなった男に殺される事件がモデルになっている
男は逮捕されたのち自殺したそうだ

居酒屋で非正規雇用として働く中年女性がコロナ禍が影響し突然解雇され再就職に失敗しホームレスになる話

傑作だが着地点は好みじゃない
助けを求めなかった老婆をモデルにした女性をテロリストに仕立て上げるのはあまりにも突飛だし高橋梶原の思想なのかも知れないが平和に生きたい僕は好きになれない
解雇された三人がめでたく職場復帰し悪徳マネージャーは社長を務める父親から勘当され会社を追われホームレスになり殺されそうになるオチの方が良かった
国会議事堂爆破までいくと話が大きくなりすぎて興醒めする
そのくせそれをしっかりと描いてないので尚更おふざけが過ぎて酷い
そもそも国会議事堂は国家権力の象徴ではなく民主主義の象徴でありそれを破壊するという日本の左翼の発想は人間として間違っている
パヨクはそれで溜飲を下げた気分になるだろうが僕はパヨクではない
嫌韓厨でもないし夫婦別姓同性婚外国人労働者受け入れ概ね賛成なので保守ではないけど
それでもまあ作品の良し悪しとして致命的ではないし選択肢として悪くはない

板谷由夏が演じた北林三和子はポスターを見る限りホームレスに見えなかった
モデル体型の細長い足にジーンズ姿の着こなしに悲報感が感じられなかった
板谷由夏の芝居に不満はないがミスキャストだと思う

ルビーモレノは懐かしい

三浦貴大が演じたマネージャーは酷い男だが孫に客の残飯を食べさせるマリアを批判するやりとりはわからないでもない
マネージャーのやり方はありえないが残飯の扱いに関してはフィリピン人だからでは片付けられない

なぜ北林は如月にも寺島にも助けを求めなかったのか理解に苦しむ
それでいてテロリストになるのでは辻褄が合わない
監督も脚本家も感情論が先に出て論理的思考ができないんだろう

いろいろと残念な点はあるが傑作は傑作
星5は与えたい
これと同様アベガー映画の『新聞記者』は駄作だったがこれは間違いなく傑作

居酒屋の従業員で働くもコロナ禍が影響しホームレスになる北林三和子に板谷由夏
北林が勤める居酒屋の店長・寺島千春に大西礼芳
チェーン店を営む社長の息子で店のマネージャーの大河原聡に三浦貴大
北林が働く居酒屋店の同僚で育ち盛りの孫を育てている石川マリアにルビー・モレノ
北林が働く居酒屋の同僚で実家が農業を営んでいる小泉純子に片岡礼子
北林が働く居酒屋の同僚で大河原からセクハラを受けている土屋志央梨
転職しようとやって来た北林の出勤初日に内定取り消しを宣告する介護職員にあめくみちこ
YouTuberに唆されバス停の椅子で寝ている北林に対し石を振り上げ殺そうとする男に松浦祐也
バカな男を唆すYouTuberに柄本佑
北林のアトリエのオーナー如月マリに筒井真理子
明日こそ目覚めないようにと神頼みする古参のホームレスのセンセイに下元史朗
元芸者の古参ホームレス派手婆に根岸季衣
元過激派の古参ホームレスのバクダンに柄本明

野川新栄