「【”腹腹時計”コロナ禍以降、自助を弱き者に強いる政府に対し強烈な怒りとメッセージを発信した作品。共感より、不寛容な思想が蔓延する日本。ラストシーンは、高橋伴明監督の激しい怒りを示している。】」夜明けまでバス停で NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”腹腹時計”コロナ禍以降、自助を弱き者に強いる政府に対し強烈な怒りとメッセージを発信した作品。共感より、不寛容な思想が蔓延する日本。ラストシーンは、高橋伴明監督の激しい怒りを示している。】
■三知子(板谷由夏)は、アクセサリー制作で成功することを夢見つつ、居酒屋でアルバイトをする日々。
だが、コロナ禍により、客足は激減し、三知子達は解雇される。
行き場所を失った三知子は、あっと言う間にホームレスになってしまう。
◆感想
・今作の、映画としてのクオリティは、申し訳ないが余り高くない。
だが、この映画が発信するメッセージは重い。
・ホームレスの派手なお婆さんを演じた根岸季衣や、バクダンと呼ばれるホームレスを演じた柄本明、片岡礼子、筒井真理子という個性派の名優が多数出演している事からも、それは分かる。
■腹腹時計:1970年代、極左であった東アジア反日武装戦線や狼が、爆弾の製造方法を記した教本。この辺りは「狼をさがして」で、描かれている。
・三浦貴大が、居酒屋の屑なボンボンを好演しているのも興味深い。
ー 良い人役が多いイメージがあるが、今作での彼は、パワハラ・セクハラ、使い込みなど本当の屑を演じている。-
・三知子が様々なホームレスと出会う中で、バクダンの影響を受け”腹腹時計”を作るシーン。そして、居酒屋の店長(大西礼芳:今作で、屑なボンボンの悪行を暴くさまがスカッとする。好人物を好演。)がバス停で寝ていた三知子をアプリで見つけ、彼女を襲おうとした男を追い払い、三知子に言った言葉。それを聞いて答えた三知子の言葉”爆弾を作らない?”
<高橋伴明監督が、自助を強いる政府に対し、大いなる憂いと怒りを叩きつけた作品。社会の経済的弱者の悲哀を描いた作品であるが、ラストの”ええっ、そんなシーン、描いて良いんですか!”は、監督の想いを示していると思った作品である。>
NOBUさん、お邪魔します。
> 自助を強いる政府に対し、大いなる憂いと怒りを叩きつけた作品
同感です。
視点が違う作品、とは思うのですが
「新聞記者」 のような
社会派作品なのか との印象も
特に後半は感じながら観てました。
ラストは、政府に抵抗する姿を何か
「搔かずにはいられなかった」
ということなのかな、と思っています。