「足掻きと人生の閉め方」愛する人に伝える言葉 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
足掻きと人生の閉め方
サイトや映画ドットコムなどのあらすじを読むと、まるで「母より先に逝く子が何を言い残すのか?」がテーマに思えたのですが、全然違ってました。
現実に流されて、生きるのが精一杯で、何も成し遂げられずに僅か39歳で亡くなることを告げられた男の、後悔だらけの人生をどう締めくくるのかという、足掻きと心のありようを描いたものでした。
邦画の凡百な死ぬ直前まで元気な患者とは異なり、痛みに悶え苦しみ、そこを抜けると衰弱で呼吸がやっと、というリアル描写がすごかった。
湿っぽくならず、説教臭くもならず。
「死と向き合うこと」は「自分と命と向き合い、関わった人々も自分も赦し赦されること」ということが大事なんじゃないかと、セリフにないことを感じさせてくれました。
また、もしも私が癌で助からない状態になったら、この作品のDr.エデみたいな人に診てもらいたいと思いました。
嘘をつかず、隠さず、望めば全てを話してくれる。
雰囲気、存在感が「名医」みたいな人。
医療の在り方についても考えさせられた。
鳥肌もんの感動でした。
とはいえ、映画としての構成への疑問があり、点数はやや低め。
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