「これでもか?これでもか?」ブライアン・ウィルソン 約束の旅路 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
これでもか?これでもか?
この映画はディック・クラークのショーにビーチボーイズが出て自己紹介をしているところから始まる。そして、このドキュメンタリーはジェイソン・ファイン(ローリング・ストーンという音楽雑誌の編集者)がブライアン・ウイルソンをインタビューしている。ブライアンの育ったロスのホーソンのまちに行ったり、レストランに行ったりしてカジュアルなインタビューをして、それに、スプリングススティーンや、ジェイコブ・ディランやエルトン・ジョンやロサンジェルス・フィルハーモニックの常任指揮者で
あり、ベネズエラ生まれのグスターボ・ドゥダメルたちがインタビューに答えている。また、グスターボ・ドゥダメルが(わざと?)英語で答えないところに、ロスの民族の多様性をちょっとだけ感じさせる。
ブライアン・ウィルソンはビーチボーイのメンバーで、『エコー・イン・ザ・キャニオン(2018年製作
の映画)Echo In the Canyon』 を観てから気になっていた。 私はビーチ・ボーイズをサーフィンのグループだと思っていたし、あの高いハーモニーに好感がもてず、でも、流れているから耳に入るが、改めて耳も傾けたことがなかった。
しかし、『エコー・イン・ザ・キャニオン(2018年製作の映画)Echo In the Canyon』で、『In My Room』を聞いて、サーインのグループがこんな心の中を歌うんだなと。ブラインと誰か?の作詞だが、当時は男女差が明確だったから、『男!』が自分の淋しいフィーリングを歌にしてメディアに載せるなって信じられなかったかもね。上出来な詩だね。私の心に歌詞がよく伝わって泣けるねえ。。。1966年の『ペット・サウンド』(23歳でプロヂューサー)を聞かなきゃと思ったとき、このドキュメンタリーを見つけた。
There's a world where I can go
Tell my secrets to
In my room
In my room (in my room)
In this world I lock out
All my worries and my fears
In my room
In my room (in my room)
エルトン・ジョンがブライアンの才能を『彼らの音楽の知識はただのバンドじゃない、彼の頭はオーケストラだよ。』 と。 ビートルズにはジョージ・マーティンがいたが、ビーチボーイスはブラインが自分でと。22歳まで、作詞作曲、プロジューサーになったと。グスターボ・ドゥダメルはマーラによる曲の集まりだと。『God Only Knows』に心を打たれたと。
ブライアンは統合失調感情障害(とうごうしっちょうかんじょうしょうがい、英: Schizoaffective Disorder)だとのことだ。彼はパニック症候群になって、ビーチボーイズはコンサートをやめたと。ジェイソンと車の中やレストランでのインタビューでブライアンは『精神的な病気?』を抱えているように感じた。彼だからこそ、In My Roomのような歌詞を作れるんだなとも思った。
2004年に『Heroes and Villans 』で2004年にスマイルのコンサートに戻り、ロンドンでも公演したと。緊張感は2分間ですぐ演奏状態に入れるというが『パニック・アッタク』があり精神的に感情障害を抱えていれば、ステージに上がるのにかなりの緊張を要する。
驚いたことに、ブライアンに嫉妬する父親のDV。三人兄弟、デニス、カール、の中、二人が他界し彼だけが生きている。1983年に39歳で海で溺れ『死んだ弟のことはもう言いたくない』とブライアンが車の中でジェイソンにいった時、思わず嗚咽。
Dennis Wilson - Farewell My Friend
Dennis Wilson - River Song
シンプルな歌詞の中に、訴えかけるものがある。。。わあ、初めて聞いたけど、名曲だね、、いいねえ。
こういう歌詞を私は授業で使いたいが、日本語では見つからない。
ブライアンは九年間もドラッグ、メンタル ヘルスで治療に入ったわけだが、、金銭的にも医者、ランディーにマインド・コントロールされたと。ランディーはライセンスを剥奪されたと。
最近他界したテイラー・ハウキンスがブライアンのことをセンサティブな人にはクリエイティブな人が多いと。
1998年もう一人の弟カールは肺ガンで59歳で他界。 Beach Boys - God Only Knows
ジェイソン・ファインのようにブライアンのような『人間遺産』を追ってインタビューして、ローリング・ストーン紙に記録として残すことも大事だと思った。それに、このドキュメンタリーも貴重だ。世界遺産と言われるものが人間でもいいわけだから。日本語でも国宝という言葉があるが、世界の遺産になれる人もいる。小澤征爾、仲代達矢、すきやばし次郎(このドキュメンタリーはある)などプロとして大成している人や人間として多大な影響を与えている人の足跡を追って、私たちに生きる見本を記録にとっておいてほしい。日本ももっと人間に焦点を当ててほしい。日本のミーハーな芸能人は世界的な受けになるかというと別問題だが、でも、自分の哲学を持っているミーハーだったらこの映画のようにインタビューをして残せれば、またそれで、人々の生きる指針になるかもしれない。このドキュメンタリーから私は力をもらった。79歳の(映画は78歳)のブライアンはこれでもこれでもかといって人生をやり直してる。
誰かが言ってた。 『苦境を心の中に閉じ込めないで、言葉にあらわせたか。だから、続けられた。』と。