「腕裂け男・・・何なの?」MEN 同じ顔の男たち kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
腕裂け男・・・何なの?
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美しいものと気持ち悪いもの。両極端である感情がどこかで奇妙に融合してしまいそうな不思議な感覚に囚われてしまった。なぜだろう。傷心旅行であったはずの田園風景の広がる田舎にあるカントリーハウス。廃墟マニアが喜びそうなトンネルというメタファーがハーパーに幻影を見せ続けたとも思われたのですが、同じ顔の男たちが亡き夫ではないことに深い意味がある気もする。
宗教的寓話をベースにして、DVとストーカーと離婚問題、男のエゴに対するハーパーの心象風景が美しくも痛々しくもあった。そして怒濤のラスト20分。男から男が次々に産まれ、最後には死んだ夫ジェームズが産まれて、彼女に愛を求めてくるのだ。愛から命が芽生えてくることを訴えてくるようにも感じるが、寛容さを求める男のバカさ加減が観る者を突き落としてくれた。
あまりにも特別にひどい男の性格だったが、男からすると日々反省すべきところもあったかな~と自戒せねばならないな。ジェフリーだけは酷い性格じゃなかったけど、それが村人全てがジェフリーに見えてしまったのだろうか。恐怖心を煽るだけなら皆ジェームズの顔にするべきだもんね。
男という生き物は綿毛によってDNAが受け継がれていく。なんだか色々と考えさせてくれる作品でもありました。神聖なはずの出産もここまで醜く描かれるとは・・・さすがA24だ。
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