「その罪悪感が私を殺し続ける... 田舎町でのバカンスの総てが生理的嫌悪感に塗り潰されていく厭な映画」MEN 同じ顔の男たち O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)
その罪悪感が私を殺し続ける... 田舎町でのバカンスの総てが生理的嫌悪感に塗り潰されていく厭な映画
とある事故で心に傷を負った主人公の女性が静養のために訪れたイギリスの田舎街で遭遇する、同じ顔をした男たちの恐怖と怪奇のグロテスクホラードラマ。
気が強くややヒステリックな面も有る主人公が己の内奥に在る罪悪感から種々の恐怖を引き寄せてしまうのですが、キリスト教的な警句やビジュアルも要所に散りばめられており、特にクライマックスは生理的嫌悪感を触発する強烈なビジュアルが矢継ぎ早に展開されながらも、煙に巻かれたような何とも難解な結末を迎えます。
その一方で超高精度のカメラで撮られた英国の片田舎の湿っぽい鬱蒼とした自然は美しく、上記の恐怖描写も相俟って理性よりも感性で観るべき作品だと思います。
監督のアレックス・ガーランドは映画作品の他にもTVゲームのディーエムシー デビルメイクライ(2013)も手掛けられており、宗教観については相応の拘りのあることが覗えますが、それにしてもなかなかに観客に解釈を投げっ放しジャーマンな結末でした。
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